介護の隙間から(29) ICT化で書類削減というけれど

JosephHalfmoon

今日のテーマは、介護される側にはほとんど関係なく、介護する側(それも家庭内ではなくプロ)にかかわる問題です。

介護と書類(事務処理)

です。最近、ICT化で介護の事務処理の負担軽減、みたいは話をよく目にするのです。しかし、現場レベルでその手の話題を語っている方を目にしたことがなく(単に検索にかからないだけかもしれません)、多くの場合は、お国とかICT屋さんが語っているようです。雰囲気から察するに「上の方から落ちてきている」ような気がします。それでホントに介護する人たちが楽になるのなら良いですが、どうなんでしょうか。そうはいっても着々とICT化は進むことでしょう。

まず、お国が旗を振っていることは間違いありません。介護業界の慢性的な人手不足に対して、ICT化による業務の効率アップで対応しよう、というようなストーリーなんだと思います。実際調べるとその手の文書がヒットしてきます。

居宅サービス事業所におけるICT 機器・ソフトウェア導入に関する手引き

健康・医療・介護分野におけるICTの活用について

こうして旗を振られると、そこにビジネスあり(お金の匂い?)ということでICT屋さんが群がってきます(まあ、お金の匂いに引かれるのは電子デバイス屋も同じですが)。その「市場」を狙っている会社は多いので、列挙するのもはばかられます。一例くらいあげておきたいので大手ICTベンダから1社選ばせてもらいました(他意はありませぬ、ただ、検索でいちはやく引っかかっただけ)

介護事業のICT化、成功するための3つのポイント

調べていると「事務作業の負荷」が介護現場を苦しめている的な論を張っているICTベンダはとても多い感じです。実際、負荷はそれなりにあるのだとは思いますが、その手の根拠を見ていて納得できるのは、今のところ「手書き」してても、

現場負荷的には3番手か4番手くらい

に見えるのですが、どうでしょう。ただ、恐ろしいことにいろいろな「改正」だとかの動向を見ていると

事務作業の負荷はこの先どんどん増えていく

ような気がします。穿った見方をすれば、「事務作業は増大するから、それに耐えられるようにICT化しておけ」みたいにも思われるのです。すべての文明国家はすべて文書行政であります。エントロピーの如く、文書は増えても減りはしないものなので、これを押しとどめるのは期待薄かもしれません。

当然の如くなのですが、「ICT化の失敗」事例も多数あるようです。とは言え、「失敗事例」を声高らかに宣伝する事業所もないと思うので、「噂話」的なレベルの「事例」が多い気もします。本当のところはよくわからず。当然、ICTベンダとしては、「そのような事例」を踏まえて差別化を図る、ということになります。ICTベンダ側としては、厳しい経営が多い介護事業者から利益を上げようというのですら、思っているほどには簡単でないでしょう。

リカーリングビジネスとして成り立たせるか

あるいは

サブスクリプションモデルで行くか

どちらにせよ、「払ったお金の分だけ本当に楽になるのだよね」という点がICTベンダ間の差別化ポイントになるのではないでしょうか。想像するに、現場での入力が如何に簡単で、素早く、負担なくピッとできるか、じゃないかと思います。イメージ的には、

スーパーやコンビニのバーコードスキャナ

的な「ピッ」で済ませられないと「めんどい」「返って手間がかかる」という反応になるのでは? ご意見くださいませ。

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