高齢者の世帯でやはり心配になるのが、台所のガスコンロです。火災の恐れもあり、あるいは、ガス漏れ、不完全燃焼による中毒など、危険性はいろいろ思い浮かびます。しかし、調べてみると、実に多様な対策があり、かつまた、公的な制度として各種対策を支援してくれる自治体なども多数あることが分かりました。結構、知らなかった対策もありました。今回は実際に距離の離れた実家で一人暮らしをしている親を想定し、「電子デバイス」応用にこだわらず、対策のあれこれを列挙しておきたいと思います。勿論、中には「電子デバイス」応用も入ってます。
まずは、対策を列挙しておきましょう。
- ガスコンロやめてIHコンロに換える
- 古いガスコンロを新しいガスコンロ(全口安全センサー付き)に換える
- 火災、ガス、CO警報器
- 自動消火装置
- 火災安全システム
IHコンロであれば、ガスの心配事を「根絶」ということで「心配する側」からすると優れた対策に思えるのですが、
使う側の高齢者が嬉しくない
ケースがままあるようです。また、お値段も気になる。「嬉しくない」のはどうしようもありませんが、お値段については、多くの自治体が
電磁調理器に対する給付制度
を設けているようです。当然、給付の条件とか、割合とかは自治体により異なると思いますが、独居の高齢者が導入しやすいような配慮がなされている筈です。
「ガスが良い」高齢者の方で、
ガスコンロが古い場合は、新しいガスコンロに買い替える
のは対策の基本かもしれません。温度センサと鍋検知センサだけでなく、立ち消え、消し忘れ、地震など各種のセンサを備えたものが出ているので、どれを選べばよいか迷いますね。なお地震については各家庭のガス配管の根本にある
ガスマイコンメーター
でも検知します。(東日本大震災の時には、これが動作したのを体験した人も多かった筈)
次の火災、ガス、CO警報器は、まさに電子デバイス応用です。まず、ガス警報器については、以下に良い資料があったので、それにリンクを張っておきます。
多種のガスの種類毎に設置方法を説明しているだけでなく、センサの種類などまでいろいろ書かれています。火災報知器やCO警報器(一酸化炭素を検出する)は、単独のものもあり、ガス、火災、COなどがコンボになったものもありです。ただし、ガスの種類によっては火災やCOとは設置場所的に両立しなかったりするので、単独のものを組み合わせる必要があるかもしれません。また、良く知られているように家庭用火災報知器には
- 熱感知
- 煙感知
があります。感度で言えば「煙感知」ですが、台所では煙や水蒸気が出るのが普通なので簡単に誤動作しないように「熱感知」を使うケースもあると思います。しかし、高齢者世帯で、大火力で煙をあげるような調理をしないのであれば、「煙感知」の方が素早く動作するので良いかもしれません。電子デバイス的には発光ダイオードと光電素子ですがね。
次の自動消火装置は、電子デバイスとはちょっと縁遠いですが、火災に直接反応してくれるので、最後の砦的存在かも。要は、
住宅の天井に取り付ける消火器、自動で噴き出すやつ!
です。ビルなどではスプリンクラーが設置されている場合がありますが、その個別住宅版のようなものです。コンロ火災が心配ならばその近くの天井に取り付ける必要があります。すると天ぷら火災などで、自動で薬剤を吹き出し消火するというわけです。ただし、消火器1本に相当する重量を天井から吊り下げることになるので、天井に取り付け可能な強度がないととてもマズイと思います。また、検索するときは、
住宅用 自動消火装置
と「住宅用」と必ず書き添えましょう。そうでないと、業務用の大がかりな装置がヒットしてくるかも。
最後の、
火災安全システム
については、東京消防庁管轄の区や市であれば、自治体のホームページなどでそういう名前のシステムの導入についての案内を直ぐに発見できると思います。東京ばっかり良いな~ と思っていたら、東京ほどの機能はないですが、私が住んでいるような田舎にもちょっと似たようなシステムを利用できるようにしてくれる制度がありました。東京以外でも、各自治体を調べてみるのが良いかと思います。東京の火災安全システムについては以下にリンクを張っておきます。
システムの内容は、というと
- パナソニックの熱/煙感知器
- 能美防災の非常ベル(近隣に鳴り響く大音量のやつ)
- 専用通報機(富士通ソーシャルライフシステムズ製)
最後の専用通報機というのが肝で、これが電話線につながり、
東京消防庁に自動で通報される
強力です。また、
火災だけでなく、緊急ボタンを押せば、救急車が来る!
ということになっています。ただし、これの導入には、
居住管理協力者の確保
というハードルがあり、思いついたら導入できるというものでもないようです。この辺の条件については、各自治体へ問い合わせないとならないでしょう。なお、私の住んでいる自治体では、火災報知器との連動機能がなく、自分で緊急ボタンを押すだけのタイプでした。逆に居住管理協力者といった表現はなかったので、一定の条件さえ満たし、手数料(条件によっては無料)を払えば設置してもらえるようです。