冥界のLSI(8)VM863C110、日本語ワープロとともに

1980年代、まさにバブルへと向かう日本には、日本独特の「OA機器」市場が存在していました。日本語ワードプロセッサーという「ハードウエア」です。若者はなんじゃそれ、の世界じゃないかと思いますが、当時の日本(当時の「イケイケ」状態は少し前までの中国を想像すると良いかと)ではかなり大きな存在感がありました。日本語ワードプロセッサー(以下ワープロと呼びます)のCPUは、初期こそ色々なアーキテクチャが使われましたが、後期になるとほぼx86系ばかりとなります。ワープロと共に生き、ワープロと一緒に滅亡したのが、もう一つの国産x86、VMT社のプロセッサでした。

(「黄昏のSoC」改題)

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