データシートを読む(9) 電源、あんたが決めなはれ

JosephHalfmoon
JosephHalfmoon

要介護の年寄りなど抱えていると、病院へ行く、買い物行きたい、何につけてもタクシーにお世話になることが多いです。田舎じゃ呼ばないと来ないタクシーも、都心じゃその辺を流している。信号の度に数台は走ってくるタクシーですが、信号3、4回待ちしないと空車が見つからない、数週間前までは。けれどこの頃は違いますわな。空車の赤ランプ点灯したタクシーが数珠つなぎです。しかしね、年寄り連れて行く先もまた無い。弱った。

弱ってばかりもいられないので、淡々とデータシートを読み進めたいと思います。今日は、STM32F401xD/xEのデータシート、P.19

3.13 Power supply schemes

からであります。ようやくデータシート「らしい」あたりに辿り着いてまいりましたね。読み進める前に、もう一度声を大にして(実際に閉所で大声出していると感染の恐れがあるので、心の中でですが)申し上げたい。マイコンのデータシートなど読むときは、

自分がどんなものにそのマイコンを使おうと考えているのか

ちゃんと意識していないと何も頭に入ってこないですぞよ。。。ここから始まる電源などはいい例かもです。電源、あって当たり前、なければチップは動かないわけで。それにしても、いろいろ選択肢はあります、結構ある、いや、迷うほどあります。どんな電源にしたいのか、意図がなければズラズラと書き並べてある電源の記述にさ迷うばかりであります。

さて、3.13では、箇条書きで電源の4つの構成要素を書き並べてあります。しかし、何だか頭に入ってきません。するとその下に一文あり。引用させていただきましょう。

Refer to Figure 18: Power supply scheme for more details.

確かにFigure 18(ずっと先の57頁)みたら、一発で良く分かりますわ。文章読むよりはナンボかよいです。でもまず文章で「きっちり」書いた上で(分かり易いかどうかはおいておき、正確に)、徐々に攻めていくのがデータシートの流儀であります。そこのパッと読んでもよく分からない箇条書きを勝手に書き換えてしまうと、こんな感じでしょうかね。

  1. IO端子の電源は外部電源端子直結です。
  2. 内部の論理回路の電源(1.2V)は、外部電源端子から内蔵レギュレータで作るオプションがまずあります。
  3. 内蔵レギュレータを止めて、レギュレータ出力端子に外部から内部回路電源を直接与えることもできます。
  4. 内蔵レギュレータを止めると、IO端子の電源は0.1Vほど「余裕」かませます。
  5. 内蔵レギュレータ使うならリセットの制御などは内部でいろいろ出来ます。
  6. 外部から直接内部電源を与えるならば、外でリセットの管理はちゃんとしないといけません。
  7. アナログ回路、発振器、リセット回路などの電源は別端子になっているので、ちゃんとデカップリングした上で、同じ電圧に。
  8. さらにRTCと32kの発振器電源は完全別系統の電源にスイッチ可能。主電源をオフした後に、バッテリバックアップしておけるように。
  9. 電源電圧の上限は3.6Vだけれど、下限は端子と使い方で微妙に違う(1.65V, 1.7V, 1.8V)

IO電圧は何Vにするのか(普通3.3Vだわな)、内蔵のレギュレータを使うのか、外から与えるのか、外付けのRESET-ICみたいなものを使うのか、RTCなどをバッテリでバックアップしておくのか、しないのか、決めておくんなはれ、というところです、他にもいろいろあるけれど。マイコンで何を制御するのか、ACから電源とれるのか、電池(1次、2次?)、処理速度優先なのか、消費電力を下げたいのか、その辺の「意図」が明らかでないと、どうしたらよいのか困ってしまいます。まあ、そういった基本的な事柄を逐一決めていけば、おのずと選択は明らかとなり、以降、P.25の上のあたりまで、一気に読められるんじゃないかと。

その中でも注意が必要なのは、データシートの最初のページあたりでも引っかかっていた

パッケージによって出ている端子が違う!

ということですかい。特に内蔵レギュレータをOFFって、1.8Vプラマイ0.1Vの外付け電源で動作させるぜ、みたいな場合は使えるパッケージは限定(パッケージの名前からするときっと他のパッケージよりお値段が高そうな感じがしますぜ。コストも考えないと)。

正直言って、どういう電源構成にしてもソフトは動くでしょう。しかし、

  • 電源構成は目的の用途に合わせないと製品として成立しない。
  • その上、コストも大違い

こうしろ、などということは言えません。決めるのはあなた。

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