備忘録 2020.04.23 『特許』君の名は、半導体の古代技術、『商標拳』

備忘録 2020.04.23 『特許』君の名は、半導体の古代技術、『商標拳』

Arahaの投稿記事の投稿後のフォローアップです。

今回のアップデートは以下です。

・『特許』君の名は: 特許庁も即答できない命名の謎
・半導体の古代技術:「情報デバイス工学特論」が「404 Not Found」
・ YouTube動画  :『商標拳』と『ヱヴァ』


◆『特許』君の名は

特許の失敗学[11] 特許庁の広報(2) 『特許』君の名は
https://jhalfmoon.com/dbc/2020/04/21/patentfailure_11/

『特許』の訳語はどこから来たの?特許庁も即答できない命名の謎

 「特許」の訳語は、”patent”の「発明を公開した者に排他的な権利を一定期間与える」制度設計と、特許法第一条に記載の法律の目的と、の一部分しか表現していません。

特許法 第一条 この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。

 「モシトランス」という中国語翻訳を主体とする会社のブログの記事を抜粋引用します。
この記事は、「崔先生が明治期の日本の翻訳を褒めていた」という内容です。しかし、「特許」の訳語を中国は採用せず「専利」を選択したことには無言です。中国人も「特許」の訳語はいまいちと考えたのでしょうか。「専利」という訳語を選択した理由も、簡単にはわかりませんでした。中国の専利法は1985年に施行なんで、記録がないことはないでしょうが。
もしも中国語が読めたなら、疑問のすべてをクエリーにして、中国サイトを探すことだろう。
モシトランス記事の崔先生は「特許」について言及しない忖度をされたのでしょうか。

▼ [第8回] 訳語が持つ影響力
出典: モシトランス 2019年4月19日 特許 技術担当T
モシトランスのビジョンは、
“Beyond communications” (コミュニケーションの一歩先へ)です。

訳語が思想に影響する

崔先生は、中国の特許業界における誤訳がもたらす影響についても話をしてくれましたが、これが実に興味深い話でした。

英語の「intellectual property rights」は、中国語では「(知識財産権)」という訳語で定着してしまったそうです。なんと、米中貿易戦争の根本的な原因に、この訳語が影響しているというのですから、驚きです。

どういうことかと言いますと、「知識」は共有するものであり、「権利」は侵害してはいけないものであり、「知識財産権」という訳語には矛盾が含まれていると。中国は社会主義国家なので、公的財産はあっても私的財産は認められていなかったという背景と合わせ、英語の「intellectual property rights」は共有すべき「知識」であり、そもそも権利を主張する方がおかしいだろという考え方が一般的なんだそうです。

「知識」と捉えるか、「知的財産」と捉えるかで、英語の「intellectual property rights」に対する考え方は、がらりと変わります。そりゃ、中国と米国で意見が噛み合わないはずです。

だから、崔先生は英語の「intellectual property rights」を、より忠実に表現した日本語の「知的財産権」は素晴らしいと評していました。中国でも「知的財産権」という訳語で定着していれば、今のような米中貿易戦争にまで発展しなかった可能性だってあります。訳語が国民の思想を変えてしまうほどの影響力があるということに、とても驚きました。

現代の中国語は、日本語から非常に影響を受けている。明治以降は、中国から日本に多くの人が留学して学んだ。日本は明治維新までずっと農業社会だったのに、僅か30年で工業社会/商業社会に移った。中国はまだ完全に工業社会/商業社会になっていない。例えば、法整備など、日本から学ぶことは多い。「政治」「経済」「社会」「革命」「親子」の全てが日本語で、今は中国語として定着している。


◆ 半導体の古代技術

備忘録【感想】Literature watch returns(15) CPUはこうやって動いている
https://jhalfmoon.com/dbc/2020/04/15/memorandum-of-literature-watch-returns15/

「情報デバイス工学特論」が「404 Not Found」

名古屋大 中里和郎 教授の 「情報デバイス工学特論」のページが、アクセスできなくなってました。「半導体の古代技術の資料が失われてしまう」とあせりました。
⇒ リポジトリに保存されてました。
リポジトリなんで、無期限で公開されると思いますが、興味のある方は、講義資料のPDFをダウンロードすることをお勧めします。

(注)「半導体の古代技術」は講義資料のごく一部です。PDF資料の全体は21世紀初頭頃までの半導体技術を網羅したわかりやすい教科書です。(ここで「わかりやすい」というのはArahaのレベルではなく、ある程度優秀な理工系大学生のレベルです。)

中里和郎 教授 (平成30年3月ご定年退職) とのこと

出典:
本資料は、名古屋大学の教員 中里和郎 教授によって作成され、
名大の授業Webサイトに掲載された「情報デバイス工学特論」 (2011年の講義)です。
Copyright (c) 2011年 中里和郎 教授
http://ocw.nagoya-u.jp/index.php?&mode=c&id=123&page_type=index

 名古屋大学学術機関リポジトリ 「情報デバイス工学特論」
 http://hdl.handle.net/2237/15166


◆ YouTube動画 『商標拳』と『ヱヴァ』

特許の失敗学[10] 特許庁の広報 ビジョン
https://jhalfmoon.com/dbc/2020/04/08/patentfailure_10/

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズが期間限定無料公開してます。

株式会社カラー khara inc.official – YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCM4FwhxLYLHlOSPnfxmxSQw
アップロード動画 ◇4月29日(水・祝)まで
【公式】ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 EVANGELION:1.11 YOU ARE (NOT) ALONE.
3,708,452 回視聴 2020/04/20

『ヱヴァ』なおもて370万回 いわんや『商標拳』166万回をや

 ガンダムの派生シリーズ、だんだんついていけなくて、『ヱヴァンゲリヲン』はスルーして一度も見たことがありませんでした。しかし『シン・ゴジラ』の庵野秀明監督の代表作はこの機会に見ます。StayHomeだしね。

 『商標拳』視聴回数166万回は、オーダー的に『ヱヴァ』級なんですね。
/* 失礼いたしました。視聴回数のオーダーは1桁違いました。(2020/04/24)
『商標拳』 公開時 約10万回/日
『ヱヴァ』 公開時 約100万回/日
*/

 民間企業であれば、YouTube動画の大成功は、ホームページにデカデカと宣伝するところですが、そこは「特許庁」~官庁のトップページにYouTubeの宣伝はできないの。特許庁のHP経由で『商標拳』を見つけてビックリしたのは私だけ?
 ちなみに、『ヱヴァ』期間限定無料公開は、メールマガジンで知りました。
『特許拳』とか『意匠拳』も作ってほしいところですが、悪役をどうするかは難しそう。

「商標拳~ビジネスを守る奥義~」動画及び特設サイトを公開 2020年1月21日
 https://www.meti.go.jp/press/2019/01/20200121002/20200121002.html
 商標拳~ビジネスを守る奥義~
 https://youtu.be/8Yuzp290QNU