医療関係者には常識なのでしょうが、半導体ボケの年寄には聞いたことのない話です。一酸化炭素の肺拡散能の試験データ。一酸化炭素と聞くと連鎖的に「中毒」と答えてしまいますが、れっきとした医療で微量の一酸化炭素を吸わせる試験があるのだとか。今回のデータセットは、7人の喫煙者にして水泡患者様がターゲットだと。なんのこっちゃ。
※「データのお砂場」投稿順Indexはこちら
Carbon Monoxide Transfer
今回のサンプルデータセットは、R言語のパッケージbootに含まれている
co.transfer
なるデータセットです。解説ページが以下に。
一酸化炭素肺拡散能(DLCO)については、『看護Roo!』様の以下のページなどご覧ください。
上記を拝見するに、COは、通常、血管内の濃度0とみなせるうえ、酸素よりヘモグロビンと結び付きやすいために「測定しやすい」ガスなのだそうです。実際の検査方法については『亀田グループサイト』様の以下のページに記述がありました。
『亀田総合病院』様です。日本のトップ3どころか世界ランキング入りの偉大な総合病院っす。大昔1度だけお世話になったことあり、患者カード持ってます。出張先で真夜中痛みに耐えかね救急車で運び込まれた先でした。結局、尿路結石の最初の発症。死ぬかと思うほど痛かったですが死にはしなかったデス。痛み止めで痛みは止まるから家に帰って近くの病院へ行ってね、とのことでした。翌朝清算のため帰宅前に立ち寄った病院のロビーの絢爛豪華なこと。ホテルかと。なお病院の前から東京駅へ高速バスが出てます。交通も至便。勿論、夜間の医療体制も完璧、真夜中に若いお医者様が5,6人も登場。私が七転八倒しているベッドの横にホワイトボードを持ち出して、検査結果と所見をならべ議論を始めたときにはどうなることか思いましたぞ。しばらく後ベテランらしい中年のお医者様が来て「結石」の一声。その通り。
まずは生データ
「まずは生データ」というものの、今回のサンプルデータセットは小さいです。7名の患者様の入院時と1週間後のCarbon monoxide transfer factorの数値です。
ただし、この7名の患者様、クセ強?です。喫煙者 にしてchickenpox(水疱瘡)だそうな。しかしサンプルデータセットからは、喫煙者で水疱瘡患者ということと、なぜ一酸化炭素肺拡散能を測るのか、素人の年寄には、その意図はまったくもって分かりませぬ。何か肺機能に重篤な障害が発生するのか?
グラフを描いてみる
入院時より1週間後の方が数値が大きい(ということは肺での拡散能が上がっているということで良い方向なのかな?)のでとりあえず箱ひげ図を描いてみました。
boxplot(co.transfer, ylab="co.transfer ", main="Seven smokers with chickenpox")
それらしくはありますが、上記では個別の患者様毎の良くなった、悪くなったの時系列は不明です。
そこで単純plot。
plot(co.transfer)
入院時に高かった人がもっと高くなるとかそういう「相関」があるかと思ったのですが、そんなことは想像しずらいグラフですな。てんでんバラバラに見えるし。
そこで入院時と1週間後の検査数値の比をとってそれをヒストグラム化してみましたぞ。処理はこんな感じ。
co.transfer.ratio <- co.transfer co.transfer.ratio$ratio <- co.transfer$week / co.transfer$entry colnames(co.transfer.ratio) <- c("entry", "week", "ratio") hist(co.transfer.ratio$ratio, main="Seven smokers with chickenpox", xlab="week/entry ratio")
若干1名様悪くなる方向、残り6名様は皆さん良くなる方向かな。本来だと、ここからブートストラップ法の適用、という段取りだと思いますけど、7名様だもんな、それでもブートストラップ法やる意味大いにあるのか?メンドイから今回はやらんけど。。。