長らく巡ってきましたパッケージ「Boot」のサンプル・データ・セットも今回のwoolで完了であります。「ブートストラップ法」のサンプルデータといいつつ、ブートストラップ法を適用してみたのはごくわずか。ただただ、お惚け老人がサンプルデータの向こうに世界の不思議を見てきたのみ。今回は「羊毛」です。どんな不思議があるのか?
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Australian Relative Wool Prices
今回のサンプルデータセットの解説ページが以下に。
Australian Relative Wool Prices
オーストラリアの羊毛の価格に関する時系列データみたいです。価格といっても「ファインな」グレードのやつと「最低価格」の比の対数(何も書いてないけど常用対数ということでよかですか)を1976年7月から1984年6月まで「毎週」記録したものみたいです。
上記の解説ページの記述からは、以下の「公社」(オーストラリア政府機関?)がなにやら価格の「安定」を図っていた様子が漏れ伝わってきます。intervention(介入)などと言っているし。。。
the Australian Wool Corporation
まあ、羊毛がオーストラリアの主要な産業の一つであることは、忘却力の老人も知ってます(昔覚えたことは忘れないのよ。)ともあれ、世界の現状の統計を探してみました。『織研新聞社』様
世界の羊毛産業の概況 3000種類、13億頭が生息 アパレル向けは豪州が最大
上記の統計を拝見すると、羊さんの頭数としては、中国、インド、豪州の順のようです。ただし、頭数には羊毛をとる目的でなく食用など全てを含むようです。産毛量としては、豪州、中国、NZの順みたい。やっぱりオーストラリアなのね。
そこでサンプルデータセットの解説ページにも出てきた the Australian Wool Corporation についてしらべてみました。この「公社」について言及あったのは、『ENCYCLOPEDIA OF AUSTRALIAN SCIENCE AND INNOVATION』様の以下のページです。
Corporate Body、Australian Wool Corporation [I] (1973 – 1991)
メルボルン所在のオーストラリアの連邦政府の機関であったようです。どうも豪州政府は羊毛のための政府組織を20世紀前半からずっともっており、度々お名前の変更やら組織の分割やらを繰り返しているみたい。その中の1973年から1991年がこのお名前での「第1期」の活動であったようです。サンプルデータセットはまさにこの時期に含まれます。
その後、紆余曲折?あり、現在では以下のお名前の組織がその後身にあたるものみたいです。業務内容は知らんけど。
Australian Wool Services Limited.
なお上記の会社の略称、AWSです。どこかでよく聞くお名前と一緒だな。そして上記組織には子会社2社があります。
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- Australian Wool Innovation Pty Ltd
- The Woolmark Company Pty Ltd.
後者こそ、皆さんお馴染みの「ウールマーク」の認証している会社みたいです。日本法人が以下に。
「ザ」に込められた唯一にして絶対感。かっけー。
羊毛価格
今回は「羊毛価格の比の対数」のデータなので羊毛価格のデータを探してみました。ありました。コモディティということで先物取引の価格データであります。『TRADING ECONOMICS』様の以下のページです。
https://jp.tradingeconomics.com/commodity/wool
1985年以降の価格をみることができます。頻度は毎週です。取引場所はオーストラリアのようです。ちょうどサンプルデータセットが終わった後からのデータです。サンプルデータの説明でもオーストラリア羊毛公社様は毎週「介入」のポリシーを決定していたみたいなので頻度は一致してます。先物取引の場合の単位は AUD/100kg(商品としてはセント/kg単位が普通だったみたい)、取引の標準単位は2500kgであるようです。流石、先物、単位がデカイです。20世紀末ごろ最低価格465オーストラリアドルでしたが、2018年頃最高価格 2101オーストラリアドルをつけてます。現在は1152ドル付近のようです。
グラフを拝見すると
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- 1995年ごろまでは価格は硬直的、1991年の年初に一度改定?
- 1995年以降は細かい値動きを見せるようになる
- 上記後下がって20世紀末頃最低価格にいたる、その後上昇。
といった流れ?です。グラフをみると何度か「ポリシー」に劇的変化があったように思われます。
まずは生データ
データは log10(ファインなグレード価格/最低グレード価格)だと思われます。よって単位はなしね。お惚け老人は0.075と言われても具体的な比率が直ぐ思い浮かばんので計算してみました。
つまり、値差が小さいときには約1.2倍程度であるものが、値差が大きくなると3倍ほどにも開くということみたいです。これは結構価格変動に振り回される人がでるのではないかと想像できます。
タイトル付でプロットしておきます。
ts.plot(wool) title(main="Australian Relative Wool Prices")
プロット結果が以下に。
時系列データなので。。。
上のグラフ見れば「最低」と「最高」の位置は明らかです。一応、計算で求めておきました。こんな操作です。
time(wool)[which.min(wool)] time(wool)[which.max(wool)]
上記の結果は「週につけられた番号」みたいな数字なので、これを年月週くらいな感じに変換して~と思いました。そうしたら、時系列データでありがちなSTL分析をかけて、季節変動とかトレンドとか分離できるかも。
データ点数は309です。309週分てことね。毎週とすると約6年弱分です。でも解説ページによると対象期間は約8年です。これの意味するところは、
取引お休みの週が結構ある、毎年の4分の1くらい?
だから羊毛取引の知識のないお惚け老人が、番号から年(小数)に換算などできそうにありません。トホホ。。。