L.W.R.(48) PV-A1200MkII、1200bpsモデム、AIWA

Joseph Halfmoon

今回の古文書は1980年代中盤に購入の1200bpsモデムのマニュアル。会社ではLAN(10Mbps、同軸ケーブル)や専用線を使用。しかし個人のネット接続は公衆電話回線の時代。「次世代の2400bpsモデム」が発売になり1200が在庫整理で値引きになっていたので買いました。多分1987年でないかと。ネットに接続、感激。

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秋葉原の電気屋で買った

秋葉原は時代により「メインの」商売が切り替わる地域じゃないかと思います。1970年代は、まだ「オーディオ」ブームなどが残っていてステレオとかを売っている電気屋さんが多かったです。それに対応し「コンテンツ」サイドでは巨大なレコード店が幅をきかせてました。1980年台になるとその後の「パソコン」ブームに対応するような流れが始まり、パソコンやらソフトウエアやらを販売しているお店が増えた印象。ただし、それが一気に大衆化するのは1995年を待たねばなりませぬ。そんな「パソコン全盛」のちょい手前、まだパソコンがマニア、オタクのものであった時代、ネットワーク接続は結構辛かったっす。

もしかすると現代の若者はネットワークに接続していないコンピュータで何やっていたの?という感想じゃないかと思います。まだ「インターネット」の津波は到来してません。正確に言えば既にインターネットの原理は確立していたのだけれども、一般に公開されて商業化される以前の状態じゃなかったかと。

「ホスト・コンピュータ」があり、そこに公衆電話網に接続したモデムが用意されていれば、電話機につないだモデムを介して端末(パソコン)からホストにログインできる、というのが当時のネットワーク利用の世界でなかったかと。

そんな中、「パソコン通信」という名のサービスが始まってました。この中の会社のいくつかは後にインターネット・サービス・プロバイダなどに変貌していくことになるのですが。

そんな「パソコン通信」に接続するには、アナログ公衆電話回線を介してデジタル信号を送受信するためのアナログ・モデムが必須でした。パソコン側のUART(インタフェースとしてはRS-232C)の先に接続し、デジタルな0・1をアナログな音声信号に変換してくれる(またはその逆)の優れものです。

欲しいとは思ったものの、それなりのお値段なので、見て見ぬふりをしていたところ、1200bps機が「投げ売り」になっていたので、つい買ってしまいました。以降、ネットワークに浸って今日に至ります。

でもま、たかだか3.4kHzまでの音声信号しか「通過できない」筈のアナログ公衆電話回線を通して1200bps(その後はもっと高速な機種がどんどん出てくる、信号処理の勝利!)の信号を通すなんざ、今からしても恐れ入ります。

AIWAのモデル

さて、購入したのはAIWA製、PV-A1200MkIIというモデムです。調べてみると『インプレス』様のAKIBA PC Hotline!の以下のページに記事がありました。

懐かしの通信機器「アイワ インテリジェントモデム PV-A1200」

現物写真も掲載されてますが、手元のマニュアルとは微妙に異なります。これは上記記事がPV-A1200であり、当方所持がPV-A1200MkIIという差のためと思われます。お惚け老人は(当時は老人ではなかったが)「流行」から大分後れて手に入れたのだよねえ。上記の記事にも書いてありましたが、AIWAは当時のモデム業界の3強の1角だったみたいです。

当時AIWAというと、SONY買うにはお金がないけど、似たものがお値打ち価格で手に入るってな感じじゃなかったかと(個人の感想デス。)お求めやすい割に性能が良いっと。ただ、調べてみると購入当時は既にSONYの資本が入り、徐々に別動隊的な位置づけになっていたのかもしれませぬ。知らんけど。

しかし、あるときAIWAブランドは消滅。いろいろあったみたいです。お惚け老人的理解では以下のとおり。

AIWAはソニー傘下に入っていたが、2002年12月法人としては解散、ソニー傘下の「ブランド」になった。しかし、2008年にはそのブランドも終息。

AIWAブランドの復活

法人格は消滅したのですが、商標は強し。それだけ皆に好かれていたブランドであったということでしょう。どういう経過しらないですが、ブランドを買収して「後AIWA」というべき法人が設立されるのです。その際の記事を『宣伝会議』様のサイトで見つけました。

消滅していた「aiwa」が復活 商標権を譲渡してもらった企業の狙いとは?

上記によると秋田県の会社がaiwaの商標権を取得して会社を設立しているのです。この「後AIWA」というべき会社は、戦国時代の「後北条」氏が鎌倉時代の「北条」氏の系譜を継ぐ建前とちょっと似ている感じです(個人の意見デス。)後「北条」氏は名乗りだけでなく「北条」氏の血脈の奥さんを迎えて「北条」の正統性を高めてます。「後AIWA」も商標だけでなく旧AIWA系列の人材を起用しているそうな。知らんけど。ただ、かなり複雑なあれこれがあったみたいで、現在の資本構成的にはメジャーは台湾の会社になっているみたいです。ホームページは以下に。

https://www.int-aiwa.com/

さらに、一時期 米国のAIWA商標は上記とは資本関係のない米AIWA CORPORATIONという会社が保持していた、という情報がありましたが、現在その状況は解消されて一本化したらしいです。なかなか複雑。

まあ、モデムとは関係ないっすけど。

L.W.R.(47) Smalltalk、鈴木則久著、昭和61年(1986年)、産業図書 へ戻る

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