アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』の2024年11月号(和文版)の実習初回。前回までAM検波。今回はFM。各種FM検波器の解説が掲載されとります。『StudentZone』のタイトル的には今回も『ADALM2000による実習』ですが実機実習はみあたらず、シミュレーション「のみ」です。いいのか?
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※学生でもないのに勝手に実習をさせていただいておりますアナデバ様の記事(日本語版)が以下です。
毎度の記事末尾のQUIZの解答(英語版のみ)は以下です。
November 2024 StudentZone Quiz Solution
FM検波器
今回はFM検波器ということで6種類の回路を列挙しているのですが、ブロックダイアグラムレベルでの解説のみの回路もあり、実際に「実習」できそうなのは以下のスロープ検波器のみでした。それもシミュレーションね。
まず基本的なスロープ検波器ということで入力信号をトランスにいれ、その出力とバリコンで同調させるスタイルの回路が説明されてます。しかし、実際にシミュレーションするのはトランスもバリコンも使用せず、キメウチのCとLで同調するシンプルな回路です。シミュレーション(もちろんLTspice)用の回路が以下に。
なお、このような「スロープ検波器」については以下のようなコメントがついてます。以下1文引用させていただきます。
電圧の周波数特性が非常に非線形になるので、実際にはほとんど使用されません
簡単で良いなと思ったけれども、実用にはならなそうなのね。トホホ。
さて上記回路のシミュレーション結果が以下に。上の緑の波形がFM変調された波形です。真ん中のピンクがOUT_AMのところの信号です。後段部分は過去回のAM信号の包絡線検波で使っていたような回路です。その出力OUTが赤色です。
まあ、確かにFM変調された信号から元の信号が取り出せているちゃ、取り出せてます。
QUIZの実習
なお上記の回路のキメウチの定数は、特定のキャリア周波数と信号周波数に「あわせた」値だと思います。そのせいか、記事末尾のQUIZでは、C2の容量をちょいと変化させてみよ、とのご指示あり。
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- C2=0.001uFのとき
OUT信号に搬送波が「かなり」載っている気がします。知らんけど。
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- C2=0.1uFのとき
こちらは搬送波の影響はほとんど見えない感じっすけど、信号波形がかなり歪んでいる感じ。これまた知らんけど。
まあ、原理的なFM検波器は結構簡単な回路でできるっと。でも、も少しモダンな回路も実習やったがいいんでないかい?