
OpenModelica付属デモ巡回中。「回転運動」デモ(Mechanics>Rotational)の3回目。前回は複数クラッチの接続に目を回しましたが、今回は1個のギアです。一定の減速比で回転数を落とすだけかと思えば、今回のギアはそうではありません。損失あり(発熱あり)、また「速度ゼロ時の」固着ありです。ムツカシー。
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※動作確認にはWindows 11の パソコン(64bit)上にインストールした、The Open Source Modelica Consortium(OSMC)様の以下のバージョンを使用させていただいてます。(なお、ModelicaはModelica Association様の登録商標です。)
Openmodelica v.1.25.1 (Official Release版)
IdealGearとLossyGear
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- IdealGear
- LossyGear
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- ギアの慣性なし
- ギアの弾力性なし
- ギアの減衰なし
- ギアのバックラッシなし
ギア比 x:y みたいな数字だけの存在。一方、今回デモを「鑑賞」するLossyGearの方は、
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- 損失アリ(発熱によりエネルギーが散逸する。トルクの伝達効率は駆動軸から従動軸方向(ポジティブ)、従動軸から駆動軸方向(ネガティブ)両方向が定義されている。 入力トルクの一部が散逸により失われる)
- 固着アリ(所定の条件下で、駆動軸、従動軸間の角速度がゼロとなるモードに入る)
のモデルみたいです。ただし、これでもより高度なギアのモデルには不足しているので、「もっと高等な」コンポーネントも定義されているみたい。まあ、その時もLossyGearが内部で活躍するみたいですけど。
LossyGearDemo1
今回、デモを鑑賞するのは、以下で選択可能な Modelica.Mechanics.Rotational.Examples.LossyGearDemo1 です。
上記を選択すると現れるダイアグラムが以下に。矢印と文字はお惚け老人が書き加えたもの。
中央に今回テーマのLossyGearあり。左右に2個のイナーシャ(回転モーメントは異なる)があります。そして左には1Hzの正弦波で駆動してくるモータか何かがあり、右にはなんやら負荷(今回は負の値から始まって徐々に0に近付く)があって左右からせめぎ合っているみたい。
項目多くて、初見の素人老人は歯が立ちませぬ。忘却力の老人は、おいおい少しずつ学んでいくしかないのう。
シミュレーション実施
赤が左のイナーシャ1、青が右のイナーシャ2です。ギア比は2。上記のグラフをみても赤2に対して青1の波形に見えます。注目すべきは角速度0のところが重なっていること。駆動力と負荷の大小とギアの条件によって、トルクの伝達が制御されているということね、意外と?複雑よな。
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- ー1は逆方向の回転
- 0は固着
- 1は順方向の回転
ということみたい。モードの変化ポイントは上の角速度のグラフの方向と一致しとりますな。
当然、「回っているところ」で損失が発生しとります。
たった1個のLossyGearの挙動でも、素人老人にはムツカシーです。でもギアの挙動を学ばないと「回転」はあつかえんぞなもし。