
OpenModelica付属デモ巡回中。「回転運動」デモ(Mechanics>Rotational)の4回目。前回は損失のあるギア1個でムツカシーと「頭を抱え」ました。しかし今回は損失のあるギアに加えてベアリングも登場。ベアリング無くしてほとんどの機械は成り立ちませぬ。必須な部品ね。どうなるんだ。
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※動作確認にはWindows 11の パソコン(64bit)上にインストールした、The Open Source Modelica Consortium(OSMC)様の以下のバージョンを使用させていただいてます。(なお、ModelicaはModelica Association様の登録商標です。)
Openmodelica v.1.25.1 (Official Release版)
先週は、大谷さまのお陰で日本語が変化するその瞬間を体験しましたな。本来「頭を抱える」「開いた口が塞がらない」という日本語は、どちらかといえばネガティブな状況下で使われる言葉だった筈。しかしMLB中継で大谷さまのホームランシーンの度に、ドジャース側の人々が「頭をかかえて」「口を開く」アクションを繰り返したために、「頭を抱える」「開いた口が塞がらない」という御言葉がポジティブな方向にパタンと倒れたみたいです。閑話休題。
さてベアリングです。
LossyGearDemo2
今回、鑑賞させていただくデモは、以下で選択可能な Modelica.Mechanics.Rotational.Examples.LossyGearDemo2 です。さすが歯車(ギア)は機械工学のプリマドンナ、ギアについては3つもデモがある中の2つめです。
上記を選択すると現れるダイアグラムが以下に。老眼の老人には前回のLossyGearDemo1とほとんど一緒に見えます。よく見れば唯一の違いは、左の方に bearingFrictionなるコンポーネントが存在していること。
「理想ベアリング」のようなものは「ひたすら軸を支えてくれる」だけで「何もしない」筈なので、敢えてダイアグラムに取り入れる必然性もないかと思います。それがこうして鎮座しているということは、ベアリングのところの摩擦損失も「問題にしたい」という意識なんだと想像します。
例によってGoogleの生成AI、Gemini様におまとめ頂いたギア摩擦とベアリング摩擦の比較が以下に。
当然、ベアリング摩擦など「吹けば飛ぶような」気もしないでもないですが、当然、問題になる場合もアリ。
ただし、以下の註釈がHelpファイルに書かれてました。どしたら良いのだろ。
Note: This combination of LossyGear and BearingFriction is not recommended to use, as component LossyGear includes the functionality of component BearingFriction (only peak not supported).
シミュレーション結果
まずは、イナーシャ2個の角速度のプロットです。赤がイナーシャ1、青がイナーシャ2。この波形は前回の波形と「似た」形です。ただし、「ことさらな」ベアリング摩擦の追加により前回よりも遅くなってないかい?
さて、ベアリングとギアの回転モード(1:順方向、0:固着、ー1:逆方向)の変化の様子が以下に。上のプロットからは「似たような動き」をしているようにみえるベアリングとギアだけれども、固着しているところの条件が異なるので、一致はしておらんようです。ムツカシー。
さて、消費されているパワーが以下に。まあ、ここは「回っている」ところが素直に見えてます。
ベアリングのモデルも、なかなか奥が深いっす。さらに次がどうなるのか恐ろしいが。