別シリーズにてLC発振実験。マイクロインダクタを使用。470μH、アキシャルリードでブレッドボードに刺しやすいです。規定の周波数(0.796MHz)でのインダクタンス、Q値、そしてDCでの抵抗、最大電流など仕様書にきっちり書かれているのですが周波数特性のグラフなどは付属してません。そういえばということで思いだしました。
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忘れていた、AD2のインピーダンスアナライザ機能
毎日のようにお世話になっているDigilent製Analog Discovery2(以下AD2と略します)ですが、オシロ、電源、パターンジェネレータにせいぜいロジアナ、まれにボード線図くらいで足りてます。しかし最近スクリプト(JavaScript)で制御する練習を始めたので、Scriptタブの傍に使ったことのないタブがあるのを思い出しました。以下の黄色のマーカ部分をごろうじろ。
ちょっとアイコンのサイズが小さくて見難いですが、横軸Rで縦軸X、そして斜めのベクトルに絶対値Z。インピーダンスアナライザ機能であります。
そうだこのインピーダンスアナライザ機能があればマイクロインダクタのインダクタンスを測定することは勿論、周波数特性のグラフなども描けるのでないかしらん。早速やってみました。
DUT(Device Under Test)
DUTは台湾 CORE MASTER ENTERPRICE Co.LTD.製のマイクロインダクタ
AL0307-471K
であります。毎度お世話になっております秋月電子通商殿のP-04928(通販コードっす)として販売されとるものです。アキシャルリードでカラーコードがついているので抵抗かと見まがう品でございます(ちょっと太めですが。)
まあ、接点の抵抗やらリード線のもろもろやら気にはなりますが、例によってブレッドボード上に構成した測定用の回路が以下です。
AD2との接続
AD2のインピーダンスアナライザ機能を使うためには、所定の回路構成をとらねばなりません。選択肢は以下の4つです。
-
- W1-C1-DUT-C2-R-GND
- W1-C1-R-C2-DUT-GND
- W1-C1P-DUT-C1N-C2-R-GND
- Adaptor
W1はパターンジェネレータの出力、C1(C1P)はオシロC1端子の+側、C1Nはマイナス側、C2はオシロC2端子、DUTが測定対象で、Rは既知の抵抗です。なお最後4番目のAdaptorは別売りのインピーダンスアナライザ専用の接続治具です。多分AD2の出力直結なので精度的には一番よいのでしょうが手元不如意につき所持しておらず。
今回は「2」の構成としてあります。Rについては、虎の子の高精度抵抗を投入(黒色で遠くからみるとレクティファイヤという感じですが。)まあBBのやらなにやらの抵抗考えたら気持ちだけだけれども。
インピーダンスメータ
まずはインピーダンスメータを使ってみます。これは規定の周波数にて測定を行うもの。結果が以下に。
仕様書の規定周波数796kHzにて測定。黄色のマーカ部分ごらんくだされ。インダクタンスの測定値は487.8uH。スペックは470uH±10%なのでOKね。またQ値の測定値は約77。スペックはミニマム60。これまたOKね。当然か。
ちょこちょこっと接続すれば素性が分かるので、専用のLCRメータとかなくてもなんとかなりそうな(個人の感想です。)
インピーダンスアナライザ
さて、本命、アナライザ機能にスイッチすればグラフの表示エリアが現れます。まずはインダクタンスの測定機能で100Hzから10MHzまで掃引したものが以下に。
既定の周波数 796kHzはLが平らなところの末尾付近で、その後急激に上昇することがみてとれます。そして後急降下。赤のカーソルを置いておきましたが、ここが「自己共振周波数」なのでは。大体3MHz付近ね。もとよりインダクタンス素人、知らんけど。
お次はインピーダンス[Ω]をプロットしてみました。実部Rの絶対値と虚部Xの絶対値を別々にプロットしております。もちろんZの絶対値もプロットできます(上の |Z| ボタンを押せば表示されますが、重ねると見ずらかったので省略。)
いちおうどっちがRでどっちがXなのだか分かるようにバツ印とコメントを挿入しておきました。Rsは10Ωくらいで横線になっているので、上記は100HzからのグラフだけれどもDCでもそんなもんだろ~と想像。なおDCでの規定(RDC)は最大14Ωとな。
周波数特性もバッチリだね(グラフ描いて満足してるんでないよ、自分。)