今回は外来ノイズではなくOPアンプ内部のノイズの回です。『大全』の該当部ではちょうどOP27を題材に解説されてましたので冒頭画像にOP27の規定を引用させていただきました。電流ノイズ pA/√Hzだって。スゲー小さいな無視無視などと思っていたら大間違いでした。3種のノイズの主導権争い、決め手は信号源インピーダンスだと。
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原著はOp Amp Applicationsという書物だったらしいです。
pA(ピコアンペア)俺の知ったこっちゃね~
元よりオペアンプ素人、オペアンプのデータシートを見ることはあって、電流NOISEの項をみても、その小ささに高を括っていたのです。pAだって、そんな単位、俺の知ったこっちゃね~と。しかし、今回『OPアンプ大全』の194頁、図4-29を拝見して目から鱗でした。大間違いだったのね。
たいしたネタバレにならない程度に内容をかいつまめば(該当部分には例によって電流帰還オペアンプの件とか f分の1ノイズとか他の内容も沢山書かれており)、
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- アンプ内部の電圧ノイズ、データシート上は en
- アンプ内部の電流ノイズ、データシート上のin
- 信号源の抵抗のジョンソンノイズ
この3つのうち、最大のものが他を圧倒してノイズを支配するのだと(二乗和なのでデカいやつが大勝。)
でも、en はnA/√Hz単位、inはpA/√Hz単位、桁が3桁違くない?というのがアナログ素人の感覚の鈍さだったです。しかし電流は抵抗を流れて電圧となる必然の理に、1kΩのインピーダンスに流れたらどうよ?それどころか信号源インピーダンスのデカい(電流をあまり流せない)デバイスからの信号線に接続されてたらどうよ、と考えると。。。私が悪うございました。
そしてその両者のせめぎあいの間に割って入るのが、誰も避けることのできない物理法則、ジョンソンノイズであります。忘れている子のために(私もだけれど)公式を以下に掲げます。
あろうことか、こいつが電圧ノイズと電流ノイズが拮抗している入力インピーダンスの値付近で、漁夫の利とばかりにトップを取ってくることもあるのでした。
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- つまり上の3つの中のもっともデカいものが支配的
- どれが支配的になるかは信号源インピーダンス次第
だと。つまりは信号源インピーダンスとOPアンプと周波数の全部を見て決めろ、と。オペアンプ素人にはご無体な。
そんなこともあろうかと、端的な、水平軸にHzをとり、垂直軸に電圧換算ノイズ、そして信号源インピーダンス3段階に対してオペアンプ6種類をプロットしたグラフが図4-30にあり。ううむ、一筋縄ではいかんのう。。。