前回AnalogDiscovery2のインピーダンスアナライザ機能を「再発見」。今回はカーブトレーサ機能を使ってみます。トランジスタ(バイポーラ、MOSFET)でも各種ダイオードでもI-V静特性など測定できるツールです。使ってみたらば簡単。すぐにグラフが描けます。こんな便利なものを使わずにいたなんて宝の持ち腐れ。
※「部品屋根性」投稿順Indexはこちら
Tracer機能
AnalogDiscovery2の制御ソフトであるWaveFormsでTracer(カーブトレーサ)を起動するのは以下のボタンです。なお、当方で使用しているのは WaveForms 3.18.1というバージョンです。もしかすると古いバージョンには無い機能かもしれんです。
カーブトレーサの設定
主要な設定は上部に集まっています。Singleボタンの右隣りを No Adapterにしてあります。こちらは「別売のアダプタ」を取り付けて測定する場合はAdapter、自前でDUT(Device Under Test)を配線する場合はNo Adapterということみたいです。その下のNPNのところは測定ターゲットのデバイスです。今回は 2N3904 NPNトランジスタを実験の「ビーグル」にしているのでNPN選択です。勿論、NPN以外にPNP、N-FET、P-FET、Diodeの選択が可能です。
そして測定するグラフの指定が以下のプルダウンウインドウです。とりあえずということで、カーブトレーサというと多分一番目にしそうな Ic/Vce特性(Ibの値をステップで変えながら)を指定してみてます。
No Adapterの場合、測定する特性によってDUTの配線が変わるのでウインドウの右上に小さく表示される「回路図」を見ながら配線せんといけません。例によってその部分は誤差などなんのそので踏みつぶし、ブレッドボードとクリップで構成してるので作業はお楽、測定はいい加減。
なお今回は2Dのグラフばかり描いてますが、オプションでパラメータを増やした3次元プロットも可能です。そんな3次元グラフにはアナログ素人はついていけないのでパスしました。でもカッコいいっす。
I-V特性の測定
いろいろゴタクを書きましたが、ボタンを押したら測定は一撃。あっという間に以下のようなグラフが描かれます。エミッタ・ベース間電圧をパラメータに、X軸がコレクタ電圧、Y軸がコレクタ電流です。
ちょっと原点ずれとる感がありますなあ。どうやったら校正できるんじゃろうか?
でもま、期待していたようなカーブが一撃で描けてうれしい。
Ib電流に対するIc電流のグラフ
今度はIc/Ibの傾きを求めるためにX軸をIb電流、Y軸をIc電流としました。右上の小さい回路図が先ほどと変わっているのが分かりますか?No Adaperでやっているビンボーな子は接続変えてね、の御印です。こうして丁寧にご指示があるので、アナログ素人で老眼で手が震える年寄でも接続変更は簡単。頭使わなくてよいし。
パラメータはコレクタ・エミッタ間電圧です。このグラフの傾きがhfeになる筈(ホントか?)データシートの規定電圧とは無関係に適当なところで計算したら170くらいでした。まあ、そんなもんかいなあ。