アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』の2023年10月号の日本語記事がアップされてました。今回のテーマは温度センサ。アナデバ製ADALP2000学習用部品キットに含まれている温度センサ2種類、「電圧」出力タイプと「電流」出力タイプを両方実習せよということみたい。当方の今回は電圧の方だけ。刻むな自分。
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アナデバ様のStudentZone 2023年10月号記事(日本語版)へのリンクは以下です。
上記記事(HTML版)と、そこからダウンロードできるPDF版、微妙に違ってます。実習内容は同じだと思うのだけれど、HTML版では、Miclaus様とPop様の「共著」となっているのに、PDF版ではMiclaus様のお名前しかありませぬ。毎度のコマケー話なんだけれども気になりますです。
AD22100
今回実習してみるのは、電圧出力タイプの温度センサ、AD22100です。製品ペーージが以下に。
なんやらメンドクサイ処理をせずとも、黙って電圧測れば-50℃から150℃までピタリと(データシートの精度仕様で)温度に換算できる優れものです。
実験用の回路と実験条件
電源とグラウンドを接続しセンサ出力の電圧を測定すれば温度換算が可能です。お手軽。今回は、周囲温度ということでセンサの近くに熱電対も置いて「参考用に」温度測定もしています。熱電対をセンサに貼り付けたわけではなく、また温度が定常状態になるほど長い時間をかけたわけではないので温度はイコールになるわけではありません。特に温風吹きかけたような場合には針のような金属先端の熱電対と、小さいとは言えプラスティックパッケージの中に「いる」AD22100センサでは温度の上がり方が違いますからな。
大昔、ちょっと温度センサ関係の測定をしなければならないことがあり、バカでかい恒温槽(恒温槽自体、温度変動の少ない実験室内に鎮座していた)の横に座り、国家標準に校正済の温度計を内部に入れて測定してました。温度を設定しても安定するまで相当時間がかかるのでたかだか数点のデータ測定でも一日仕事でした。退屈男だったな。結局、何日もかかって所望のデータを点数測定した記憶。
今回はブレッドボードの上で成り行きの室温を測定、その後ドライヤで温風当てて高音の場合を測定してお茶を濁しました。ドライヤの風など当て方で熱電対の読みは急速に変動します。まあ、温めてはいるという努力感?温度は信用おけませぬ。
測定結果
まずは、室温(19℃)での測定結果。Channel1がセンサ出力、Channel2が電源電圧です。
つづいて、ドライヤの温風を吹きかけて熱電対の読み値100℃の場合、センサはそんなに早く温度は上がらんと思うケド。
さて、AD22100のデータシートにはTransfer Functionとして、Taの温度からVoutの電圧値(電源電圧Vpも式に含む)を求める式が書かれてます。これをVout(とVp)からTaを求める式に変形するのに毎度お世話になっておりますMaxima様にお願い。こんな感じ(中学生でも解ける方程式だけど。)
Maxima様に計算してもらった上の式が良いのは、浮動小数点数でなく、整数係数になっているところ。浮動小数点無のマイコン向き?
測定値を整理したものが以下に。Trefは熱電対の読み値です。
測定値についてとやかく言ってもせん無いです。ま、電圧から温度は分かると。