お手軽ツールで今更学ぶアナログ(214) エンベロープ・ディテクタその5

Joseph Halfmoon

アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』の2024年9月号(和文版)の実習5回目です。前回までダイオードがONする範囲で包絡線を得ていました。しかし振幅が小さくなり(変調が深くなると)ダイオードがONする範囲から外れてきます。そういう場合はちょいとバイアスを与えるのが良いみたい。

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※学生でもないのに勝手に実習をさせていただいておりますアナデバ様の記事(日本語版)が以下です。

ADALM2000による実習:エンベロープ・ディテクタ

今回実験の回路

LTspiceの回路図が以下に。EnvDetectorBiasCircuit

黄色の枠で囲った部分が、前回までのダイオード「のみ」の回路で、赤枠の回路は今回実験してみるバイアスを与えた回路です。Q1の2N3904はエミッタ・フォロワっす。

一応LTspiceシミュレーションした結果が以下に。EnvDetectorBiasSim
上記では以前の回路でも振幅の小さい歪んだ波形がでているように見えるけど、実際にはダメダメな感じです。

実機

ブレッドボード上に実装した回路が以下です。EnvDetectorBiasBB

Analog Discovery2で、AM変調波形を設定しているところが以下に。AMwave2

前回までの波形と比べると、キャリアの振幅は400mVと小さく、変調度は75%と大きくなっているので、素のダイオードだけだと無理っぽいです(実際ダメダメだったけど。)

実機波形が以下に。EnvDetectorBias

青色がバイアス付き回路の包絡線出力、黄色が入力の変調波形です。重なると見ずらいので黄色の方を200mVくらい下げて表示してます。微妙に小さいバイアス電圧なのだけれどもこれみると動作している感じ。やったね。

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