アナデバ様のWeb記事『StudentZone』の2024年12月号の日本語版公開さる。今回から実習していきたいです。テーマは可変ゲインアンプ(VGA)です。何度か練習した気がしたのですが調べてみると過去記事はなし。忘却力の老人の妄想?今回、微妙にアナデバ様の記事の編集方針が変化しているような、そうでもないような。
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※学生でもないのに勝手に実習をさせていただいておりますアナデバ様の記事(日本語版)が以下です。
記事のLTspice対応、微妙に進む?
タイトルに銘打っているとおり、アナデバ様の元記事は以下を想定しています。
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- アナデバ製の学習用アナログ測定ツールADALM2000を使って実習(実験)を行う
- その際、実験に使う部品は、アナデバ製の学習パーツキットADALP2000に所蔵の品を使う(ときどき間に合わないことも有るけど。。。)
かねてから書いておりますとおり、当方、ADALP2000キットは所持しておりますが、ADALM2000は所持しておりません。しかしアナデバ様のWeb記事をほぼほぼナゾッて実習できるのはDigilent社製 Analog Discovery2 という学習用アナログ測定ツールを所持しておるからであります。まあ、制御ソフトウエアに関してはADALM2000とAnalog Discovery2は異なりますが、ほぼほぼ「似た機能」を備えているみたい。そして回路自体はどちらもアナデバ製IC満載。登載IC異なるので「細かい」電気的仕様は異なりますが、回路の雰囲気はクリソツ。コマケー話を抜きにすれば同様な実験は出来るっと。
また、アナデバ様といえばLTspice 回路シミュレータ(元は買収されたリニア・テクノロジー社の製品ですが)が有名です。無料のSPICEシミュレータといえばコレという感じ。アナデバ様の元記事を追いかけてきたものからすると、シリーズ当初はLTspiceとの「コラボ」的な要素は少なくて、シミュレーション抜きに即実機という雰囲気だったです。しかし最近では、実機実験の前にシミュレーションしてみよ、みたいな記事もあり、中には実機抜きでシミュレーション「のみ」の回もありました。
そういう感じでLTspiceに「だんだん寄せている」感があったのですが、今回の「可変ゲインアンプ」の記事みて「寄せ方が一歩進んだ」と感じました。今回の最初の回路(ディスクリート・トランジスタで非反転オペアンプのゲインを切り替える回路)図1をLTspiceにエントリしたものが以下に。
過去の『StudentZone』の記事と一線を画するな、と思ったのは上図では左上の
.tran 25m
です(元記事の図1の中では左下に小さく書かれてますが。)時系列の過渡解析を25m秒行えというシミュレータへの指示です。過去の回路例ではシミュレータ用の指示は掲載されてなかったような気がします(忘却力の老人なので怪しいケド。)シミュレーションするときは、毎回、自前で考えて記入してた記憶。
また、V1、V2の信号源についても一歩前進か? 過去回でも電圧源おかれていた回路図がありましたが、こういう波形の具体的な記述がされていたことはなかったのでは?
さらにLTspiceに「寄せている」ところを発見。上記の回路図はWeb記事の図1をほぼほぼそのままエントリしているのですが、使われているオペアンプはOP07です。一方、Web記事の部品表と実体回路図に掲載されているデバイスはOP97です。「いつものアレ」かと思いましたが、老人はそこに深い意図をくみ取りましたぜ。
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- 手元のLTspice(17.0.37.0)に標準でインストールされているライブラリにはOP97のモデルは含まれていない。しかし「より一般的な」OP07のモデルは含まれている。
- ADALP2000部品キットにはOP07は含まれていない。その代わりOP27、OP37、OP97が含まれている。
- 今回実験するような設定であれば、OP07だろうがOP97だろうが差異は見えない(アナログ素人老人の勝手な意見すけど。)
ということで図1の回路図はLTspiceに、そして実機実験回路はADALP2000キットに寄せてある、と推察いたしました。ホントか?
多分、今後はLTspiceでの演習にもいろいろご配慮いただけるような気がするのでありがたい限り。
今回回路の実習(シミュレーションのみ)だけど、の結果。
アナログに精通された姉貴兄貴の皆さまは一瞥すればお分かりの通り、今回の回路はQ1の2N3904、NPNトランジスタがONしたらば、ゲイン3倍。OFFしたらばゲイン2倍になるであろう非反転増幅回路です。V1で増幅すべき入力信号としてサイン波を、V2の方形波でトランジスタのON/OFFを制御しているので2倍になったり3倍になったりを繰り返す筈。こんな感じ。
緑色が出力信号です。ピンク色が入力信号ね。そして赤色がトランジスタのON/OFFを制御する信号です。赤が+の電圧のときはほぼ3倍、赤が-の電圧のときはほぼ2倍になっとります。予定通りだな。