
LTspice配下のExampleフォルダ内Educationalフォルダ所蔵の回路図を巡回中。今回はMeasureBW。増幅回路を題材にシミュレーション結果から「3dB 帯域幅」を求めるための測定スクリプトの練習用です。過去回で .MEASURE ステートメントの使いかたを練習した筈だけれどもとっくに忘れている。
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※アナログデバイセズ社のLTspiceのガイド、ヒント、便利な情報については以下へ。https://www.analog.com/jp/resources/design-tools-and-calculators/ltspice-simulator/ltspice-recommended-reading-list.html
.MEASUREステートメント
シミュレーション結果のプロットをみて、プロット上でカーソルを取り出して「測定」していることが多い年寄です。しかし、LTspiceには
.MEASURE
というステートメントあり(.MEASと綴れば有効)、指定条件のポイントを取り出して自動計測してくれる機能があります。結果は SPICE Error Log にテキストで出力されます。
以下の過去回で練習しているのだけれども、すっかり忘れてます。
SPICEの小瓶(45) LTspiceで共振周波数を求める、カーソル、.meas、どっち?
SPICEの小瓶(46) LTspiceでカットオフ周波数を求める、.measでお楽?
過去回では共振周波数とカットオフ周波数を求めていたのね。今回はバンド幅っす。
MeasureBW.asc
今回、Educationalフォルダから取り出したのは
MeasureBW.asc
なるファイルです。NPNトランジスタで構成された増幅回路のACシミュレーションを行って、3dB帯域幅を求めるExampleです。なお、使用されている .MEASUREのスクリプトは、LTspiceのHELPファイルの.MEASUREの項に記載の例ほぼそのままです。Helpでは以下のように書かれてます。
.MEAS AC tmp max mag(V(out)); .MEAS AC BW trig mag(V(out))=tmp/sqrt(2) rise=1 targ mag(V(out))=tmp/sqrt(2) fall=last
なお、シミュレーション用の回路では、.MEASの後の”AC”という指定がないのと、.MEASと省略形でなく、.measure と綴っているところが違いです。どちらでも動くんじゃないかと思います。回路図が以下に。
シミュレーション結果
上記のシミュレーション後のAC解析のプロットが以下に。実線がゲイン、点線が位相っす。
さて、ViewプルダウンメニューからSPICE Error Logを開くとこんな感じ。
黄色マーカ部で、ゲインのピークを変数tmp内に求めてます、43.2762dBとな。
続いて緑色マーカ部で、上記から3dB下がったところの「周波数の幅」を計算してくれてます。だいたい82kHzくらいみたいです。
念のため、同じことを手動でカーソルあてて測定してみました。こんな感じ。
まあ、.MEASで測った値とだいたい同じね。よかった。でもな、.MEASの指定の仕方ゼッテーに覚えられん、多分。毎回コピペか?