IoT (Internet of Things) と M2M (Machine to Machine)、どうも似たもので、よく隣あって書いてあります。違い、分かったような、分からないような。これとは別なものですが、この頃は「併用」されることが多いので、それらの近くにAI (Artificial Intelligence) とか、ML (Machine Learning) などという言葉も落ちていることが多いです。この2つの違いも、分かったような、分からないような。いろいろな人が、いろいろな説明をしていますが、この辺でこちらはこちらで、勝手きままに、見解を申し述べさせていただきたいと思います。
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よくありがちな説明が、下のような説明じゃないかと思います。
機械同士で情報をやり取りするのがM2M
その情報をインタネットにつなげて大きく集め「ビッグデータ」で処理すりゃIoT
M2Mっていうのは、機械同士が情報をやり取りしているところでとどまっているみたいな説明がされたりするのですが、
するっていと何かい、ある機械から棒で隣の機械のボタンを押してもM2Mかい
などとツッコミたくなるのです。メカニカルな手段、あるいは、流体でも機械同士で情報を伝達することはできるじゃないか。そいう事は産業革命時期のフィードバック制御の萌芽のころ、それどころか古代メソポタミアかエジプト(多分)までさかのぼることができる筈。でもそういうものをM2Mとは決していいますまい。やはり、M2Mというカテゴリに含める場合
- 対象の機械のある状態を何らかのセンサで取得する
- 取得した情報を電気信号として別な装置に伝達する
- 伝達された装置は情報を処理して何らかのアクションに結びつける
というステップは必須でしょう。その時にネットワーク使わないのか、と言えば
多くの場合でネットワーク使っている
と思います。なんといってもTCP/IPに基づいた「ネットワーク」というものは現代社会を支えており、多分,M2Mなど使っている事業所の内部でもごく自然に使えるものだからです。そして、ネットワークがあれば、サーバもあり、なんらかの情報収集をしたらば、そこに集積されているのが普通でしょう。
機械と機械を接続しただけで、他と切れているケースなどあり得ない
と考えます。すると IoTとM2Mの違いは何? 私案を下に示しました。
左右、ほとんど一緒。狭い意味のM2Mは先っぽ部分ですが、広い意味のM2Mには「社内」ネットワークあり、サーバもあります。IoTの方は「社内」ではなく「インターネット」ありその先にサーバがあります。そして肝心な点は、IoTの方には、
データから付加価値を取り出すプレイヤー
がサーバのところに口を開けて待っているのです。そしてデータを飲み込み、こう言うのです。
データを飲み込んで、xxだけの付加価値を創出しました。ついてはそのyy%は私に頂戴ね。
IoTとM2Mの違い、本質的にはこの部分だと確信しております。M2Mの方も道具だてとしてはほとんど変わりない、場合によっては社内ネットワークじゃなく、インターネットで外部のサーバ使っていることだってあり得るのですが、その会社、その事業所で「お金の流れが閉じている」がために、プレイヤーさんの出る幕がないものがM2M分類となるのではないかと思います。ご意見あったらいただきたいと思います。
さて次は、AIとMLの違い。ここでは最近の風潮に密かに怒っているのです。
何でも ”AI” の2文字で説明を済ませる
ほとんど思考停止。何も説明していないと思います。その背景としてAIの範囲を広くし過ぎている弊害もあるように考えています。
それこそ1980年代を振り返ると、当時のミニコン(これは死語ですが)の上で、AIやってました。米国じゃLISP主流でしたが、日本じゃPrologと。推論とか、エクスパートシステムとか、そんな「言葉」を扱うシステム多数。「ルール」などは人手で書いて「推論」を機械が「実施」していた筈ですが、皆AIでした。当時AIだったものが、いつの間にかAIでなくなるわけでもないので、それらも未だにAIだと思います。その後、データを使ってアルゴリズムのパラメータを数学的、統計的な手法などで決定していく機械学習(ML)というのが盛んになりました。色々な手法が提案されて、切磋琢磨していたのに、「ディープ」なニューラルネットを学習させるというアイディアが大成功をおさめ、皆一気にそちらの方向に雪崩こみます。おかげでMLの中でも分野によっては閑古鳥が鳴く。勝手な認識としては、古典的なAIとは違う、
モダンな(最近流行りの、狭い意味の)AI
というべきカテゴリが欲しいなと思うのでが、どうでしょうか。どこまでモダンにいれるのだ?と聞かれると返す言葉もありませんし、きっと「ポストモダン」とか出てきそうだし。