ちょっと前、お友達のNさんからメールをいただきました。「日野橋、未だ通行どめ」と。台風19号での橋の崩落、損傷の投稿をフォローしてくれたのでした。調べてみると復旧予定は来年の梅雨時くらいみたいです。多摩川渡るのも中々大変。。。今年はきっと水害が多かった年として記憶されるに違いありません。水害対策の基本となるのが、水位を知ることでしょう。今回は、河川の水位計測についてちょっと調べ始めましたが、結構奥深い分野だ、ということが分かってきました。
関心は水位を測定しているセンサ部分なので、河川用の水位計の計測原理とか、方法による特徴などを勉強させてもらおうと思っているのですが、その前に、河川の水位などの情報を提供しているサイトをいくつか列挙しておこうと思います。
まずは、お国のサイト。いろいろな切り口で、全国に渡る情報が提供されています。
以下は、関東甲信越の都県それぞれのサイト。全ての都県にあるのですが、昼間、千葉県のサイトにだけ接続できず、どうしたの?という感じだったのですが、先ほど確かめたら接続できました。良かった。
各都県とも提供している情報は似たり寄ったりではあるのですが、やはり都県毎の「色」というのはついているようです。比べてみるのも一興ですが、今回はパスしておきます。以下関東甲信越ではないですが、列挙。これだけということではなく、多分、全国の都道府県でみな同じような情報提供がなされているのではないかと推測するのですが、たまたま調べたのが東京からで途中で力尽きただけです。
市のレベルでも情報提供しているところがあります。
多分、裏山といえる六甲山からの土石流などを想定しているのでしょう、水位だとか言っている間に土石流は到達してしまう速さがあるので、速報性重視か、ライブカメラのテンコ盛りです。見えたら逃げよという感じでしょうか。
これらのサイトを眺めていると日本国中、それなりの密度で河川の水位が測定されているようにも見えますが、まだまだみたいです。基準地点とか主要地点は観測できても、個別の危険個所を網羅するには至っていないと。そのためか、国土交通省で以下のようなプロジェクトが進行中でした。
ぶっちゃけ、今までの水位計が設置が大変で、費用もかかるので、もっと簡単にお安く(といって1箇所数十万円から百万円のオーダーです。従来型の水位計が設置工事等を含めどのくらいかかっているのかは推して知るべしかも。)、多数箇所にすばやく展開するためのプロジェクトであるようです。既に第1弾の結果は出ており、現在は第2弾(寒冷地向け)を実施中のようです。当然、お国の費用がかかっているので、結果は公開されています。次回以降、その資料などを勉強させてもらうと、河川水位計測の「今」がわかるんじゃないかと期待しています。
水位計測に使われるセンサそのものは、工業用途や産業用途等に使われる各種センサ類と原理が異なるわけではありません。しかし、かなり異なる方式が複数併用されているのは土木業界ならでは?なのか、それとも河川の水位計測にともなう独特の要求のためなのか。以下に、工業用途などとは異なる要求事項を思いつくままに列挙してみたいと思います。
- ヘドロ対策
- 機械的強度(流出物の衝突対策)
- 耐雷
- 寒冷地凍結対策
- 耐蝕性(たとえば下流の汽水域では海水も混じる)
- 対候性
- 対生物(貝類などの付着等)
実際、調べてみると河川水位計測を手掛けている会社は全て、なんらかの形でそれらに対応しており、そのうちのいくつかを自社技術の差別化ポイントに挙げているケースが多かったです。
今回は具体的な水位センシングに踏み込めなかったですが、1つだけ「見れば分かる」方式についてちょっと触れておきたいと思います。直接的には電子デバイスねたではない(でもカメラでとれば、がぜんデバイス応用になりますが)
量水標
ときどきニュースなどで映し出される、水面の位置を測るための「ものさし」みたいなやつ。実際、強度の高い素材で出来た巨大な物差しのような製品のようです。しかし、それにもいろいろ流儀があるようで、調べていた範囲では、
- 一般型
- 中電型
- AKK式
という3種が代表的なもののようです。それぞれ「ものさし」の目盛りの部分の見た目が違います。そのうちAKK式は由来とオリジンが分かりました。
という石川県の会社がオリジンです。アカツキのA、化学のK、工業のKみたいです。板金屋さんみたいですが、量水標の販売は経営の柱の一本なんでしょうか。他にも
といった会社が量水標のメーカとして見つかりました。それにしても中電型というのは、中部電力それとも中国電力、いや電力会社じゃない?どなたか由来をご存知でしたらお教えください。気になって夜も眠れないかも。。。