忘却の微分方程式(4) Xcos、Modelica、RC回路に手こずる

JosephHalfmoon
JosephHalfmoon

懐かしのアナログコンピュータに触発されて、ついつい微分方程式の大平原に踏み込み、ScilabのXcosへとやってきました。ブロックダイアグラムを描いたらば、微分方程式が解ける優れものです。しかしね、そのブロックダイアグラムったら、微分方程式を書き出さねばとても描けない。抵抗1個にコンデンサ1個の回路でも、私の頭の中には思い描けない。回路図なら簡単なのに。

RとCを直列に接続し、そこに電圧を印加する回路、今回はローパス・フィルタ風に、抵抗Rを介して容量Cに電荷をチャージする回路を考えます。さて、この過渡応答を得るには、これまでのところのXcosを使った「解法」であれば、その様子をまず微分方程式として書かねばなりますまい。ボケた頭で思い浮かぶのが、抵抗Rを流れる電流i(t)と容量Cに溜まる電荷q(t)を足したものが、印加している電圧V(t)に等しい、と。

左の式で良いのかしら。遥かな昔にそんな式を勉強した気もしますが、老人の記憶は危うい。しかし、まだ、このままではXcosで解けません。ちゃんとね「微分」方程式の体裁にしなければ。そういえば、i(t)のお陰で容量に溜まっていく電荷q(t)との関係はといえば、

qを時間で微分すればi

これもね、遠い昔の遥かな記憶ですな。ようやく微分が出てきた。1階の微分方程式になったので、これを整理して、書きなおします。いや~、式の変形も辛い。やりたくない、今はいろいろ良いものがある、数式処理に頼りたいくらい。なんとか封筒の裏側にボールペンで書きつけたのがこちら。

本当に、こんなもんで良いのでしょうか?錆びついた頭ではもうろうとして良く分からない。でもま、良いことにして先に進めます。

左辺はq(t)の微分、これを積分すればq(t)そのものが登場するので、まず、Xcosの真ん中に積分器を置いてその出力をq(t)とします、当然入力はq(t)の微分です。上の式からq(t)の微分というのは、電圧の時間関数V(t)に1/Rを乗じたものから、q(t)に1/RCを乗じたものを引いたものである、と。そのままそれをブロックダイアグラムにならべます。ただし、ここでは、簡単のため、R、Cみな1(抵抗1Ωはいいけれど、1Fなんて尋常でない容量だが、計算だけだしOKっと)、これで微分方程式部分は書けた。けれど、出力はCに掛かっている電圧にしないとな、やっぱり。するとq(t)をCで割ったらばよいであろう。それをグラフに描けばお答えが出る筈。それがこちら。

ブロックダイアグラムは書けたけれども、直感的にRC回路なんだ、という雰囲気に乏しい。コメントを無くしたらもやはRC回路とは想像できない(まあ、それが数学の抽象化ということだよねえ。)

適当にシミュレーション期間など調整し、「電圧5Vのステップ関数」の「つもり」をV(t)として与えてみれば、御覧じろ。

まあ、期待通りのエクスポーネンシャルなグラフ。微分方程式、間違っていないようです。しかしね、

LTspiceだったら、RとCと電圧源を置いて繋げば

一発じゃん。わざわざメンドクさい式の変形などせんでもよいです。大体、RC回路でこんな大変じゃあ、ちょっと回路複雑になったらもうどうしようもなくね。それにRとかCとか物理実体から遠ざかる方向だよね、デバイス的には「部品」が見えていて欲しい。

多分、想像するに、そういうことをお感じになった人も多いのではないかと。調べてみると、Scilab Xcosには、上のように「数学風」に微分方程式の形で問題を解くのでなく、

抵抗とか、コンデンサとか、要素を接続したら問題を解ける

部品共が存在しました。

Modelica

というお名前のついたブロック部品群です。どうもModelicaというのは、独立の物理モデリング用の言語であり、ライブラリであるようで、それがXcosにも取り込まれて使えるようになっているらしいです。当然Xcos以外の処理系でも使用可能とのこと。この後、いろいろ使ってみながら調べてみる予定でいます。

さすれば、Xcos上でModelicaのブロックから、抵抗器、容量、電圧源を取ってきてつなげてみます。これならLTspiceと変わらない(今はSpiceも図で書けるよな、昔はFortran式のテキスト入力だったもんね。今でも裏ではソースが出来ているけれど。閑話休題。)

しかし、Xcosの上のModelicaなかなか扱いずらい。部品をローテイトしながらRCのローパスフィルタ風にいい感じに並べた後、各要素のパラメータを書き込んでみたら、ローテートした回転が戻ってしまった。図がぐちゃぐちゃだあ。

なお、Xcosのグラフ表示ブロックは、黒三角のポートで、Modelicaのブロック類は四角のブロックなのでした。ここに深くて暗い河がある、と。それを渡るために、電圧センサなどというブロックがあり、そいつが四角と三角の橋渡しをしてくれるのでした。これを実行すれば、こんな感じ。

上の方の別なグラフと同じ波形(回路同じなのだから当然)ですが、ちゃんと別にキャプチャしましたよ。ちゃんとModelicaモデルでも動作はするね。

しかし、Modelicaの場合、Xcosの裏側にいるScilabの画面を見てみると大層な出力がでてきます。こんな感じ。

Xcosの普通のブロックらは、Xcosの中にそのまま動く実体があるようですが、Modelicaの方は、Cのプログラムとして裏側でコンパイルされ、実行されておると。何回か前に、私のScilab環境、コンパイラ使えるかな、とチェックしておりましたが、それがここで生きました。

それにしてもModelicaのブロックダイアグラム、醜いので、もういちど要素をローテイトしなおし、多少場所を変更してみました。まだ醜いけれど、まあ、いいか。結線する前にパラメータセットしないとダメ、というのは私の使い方になにか問題があるのか、バグなのか?これも調べてみないと。

Modelica調べてみると、電気回路に使うより、もっといろいろ他分野で活躍するようなものらしいです。まあね、電子回路ならSpiceあるからね。

Modelica調べ始めると、段々、微分方程式そのものから遠ざかりそうですが、面白そうなのでも少し。

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