お手軽ツールで今更学ぶアナログ(15) QSD123 Infrared Phototransistor

JosephHalfmoon
JosephHalfmoon

最初みたとき、同じ部品が2個あるのだと思いました。しかし、アナデバ社ADALP2000 Analog Parts Kitの「お品書き」をばヨクヨク見れば、別な部品です。どちらも光に反応する部品ですが、片やOP999 PINフォトダイオード、こなたQSD123赤外線フォトトランジスタであります。見た目クリソツ、これって絶対混ぜたらアカンやつやん。。。

最初に「答え」を書いてしまうと、以下のようです。

  • 左:OPTEK社 OP999 PIN Silicon Photodiode
  • 右:FAIRCHILD社 QSD123 Plastic Silicon Infrared Phototransistor

であります。

よくお分かりの方は、これをみて直ぐに識別できるのかも知れませんが、私にはできませんでした。まったく同一のパッケージ、ピン数。型番等の印字はありません。どちらも「黒い」LEDにしか見えない。。。幸い型番だけは判明しているのでデータシートをダウンロードいたしました。観察するに、

足の長さが違うじゃん!

そう思ってデータシートに規定の足の長さを眺めてみると(足の長さの規格が気になったのはこの歳になるまで無かったかも)どちらもMINで規定しています。MIN規定値からするとOP999の方が1.2mmほど短いのですが、MINです。それ以上ならOK。実際、長さを測ってみると、どちらもデータシートのMIN規定値からは相当に長め。データシート上の規格は満たしていますから、足の長さで判断するのは止めました。(後で、手元の現物OP999の方が足が長いことが判明しましたが。)

片方はダイオード、もう片方はトランジスタ、ただし、ベース端子が無い代わりに光を受けてベース電流が流れるようになっているので、コレクタとエミッタしか端子がない。ううむこれは、回路的に識別を試みるしかないか、と思ったそのとき、OP999のデータシートの記述に目がとまりました。

a dark blue plastic injection molded shell package.

黒じゃないんだ。もう一方のQSD123をば見れば、パッケージの材質と色として

Black Epoxy

書いてあります。手元灯で透かしてみると、確かに1方はわずかに光が通過し、紫っぽい感じ。もう一方は漆黒のまま。微妙な違いですが、これにて識別がつきます(AIにできるかな、などと一瞬思いましたが、透かした写真を学習させればできるでしょ。。。)

今回は、QSD123

の方を実際に動かしてみようと思います。OP999君はまた後で。しかし、赤外線フォト・トランジスタなので誰か赤外線を出してくれる相手が必要です。そんなことはADALP2000の出元のAnalog Devices社は100も承知で(アナデバの人はOP999とQSD123が同じ仕切りに入っていても、識別できるのでしょう、きっと)ちゃんと相手も同じ仕切りに入っています。こちらは無色透明のパッケージなので直ぐに分かります。

QED123

なんかちょっと数学っぽい型番で恐れ入るのですが、赤外線LEDです。2個を並べて回路(といって電流制限抵抗を入れただけですが)を組み、今回は動作確認で速度も遅くてよいので

ADALM1000 (M1K)

にお出ましを願います。フォトトランジスタの方にはM1Kの5V電源から10kΩの抵抗を介してコレクタを接続し、エミッタはグランドに落としました。そしてCH.Aでコレクタの電位を監視します。赤外線LEDの方は、CH.Bを電源として、470Ωの制限抵抗を介して接続。(赤外線LEDでは光っているのかどうだかわからないので、最初、可視光のLEDでテストしてから取り換えましたが)こんな感じ。


CH.Bには、ほぼほぼ0V~5Vの100Hzの信号をLEDに対する電源として与えます。そうすれば、フォトトランジスタがLEDの波形をひっくり返した感じの信号を出してくる筈、という目論見です。しかし、

フォトトランジスタの波形、フラット、ほとんど5Vに張り付いてる

何が悪い?ただ、近くに紙を持って行ったりすると微妙に波形が動きます。データシートをみるとありました。

Narrow Reception Angle

です。感度がいいのはほとんど上方の20度ばかりの狭いエリアで、横方向にはまったく感度がありません。赤外線LEDはお隣にあるのですが、横では駄目です。発光している筈の赤外線をなんとかトランジスタの上から入れてやらないと。そこで鏡(QSD123の周波数も跳ね返してくれる期待)を持ってきて、反射させてみました。そのときの波形がこちら。オレンジはLEDの駆動波形、緑がフォトトランジスタの出力波形。

ようやく目論見のような波形が得られました。なお、周囲の光源にも「微妙に」反応します。手元灯は白色LEDですがわずかに反応します。ちゃんとLEDとトランジスタの特性を測るのなら外乱光は隠さないと。

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