部品屋根性(15) AN Logic社, FPGA

Joseph Halfmoon

本当はFPGAも多いに取り上げるべきだ、とは思いつつ、FPGAの評価ボードはなかなか手が出ないな~と。ぶちゃけ、最近の「お値打ち」マイコンボードと比べると、FPGAは安いものでも一桁違う。ところが見つけてしまいました極めてお手頃価格な中華FPGAボード、Sipeed社Tang PRiMERボード、AN Logic社のFPGA搭載、であります。

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今回、まずは、fumimakerさんという方が書かれた以下のブログに感謝の言葉を述べさせていただきます。fumimakerさんのお陰で、大したトラブルなくAN Logic社の開発環境インストールできました。ありがとうございます。本稿は以下のブログで触れられていないように思われた(見落としている?)「ライセンス・ファイル」の件について追記的なものであります。

[Blog] 話題のFPGAボード: Sipeed Tang PrimerをWindows10でLチカする

さて、このお手頃価格のFPGAボード、例によって秋月電子通商殿から購入させていただきました。まあ、規模の小さいFPGAであればお安いボードが無い分けでないのですが、大手FPGAメーカのものは「別途」接続用のハードが必要だったりします。それなりのお値段。ところがこのボードはUSB直結であります。これさえあればハードはOK.

秋月電子 Sipeed Tang PRiMER FPGA Dev.Board

TangPRiMER_Package

パッケージを見るに、”BEST KIT FOR FPGA LOVERS”、わたくしはLOVERだという自覚ありませんが、よろしい。

その上、表示されているロゴにお気づきですか? 燦然と輝く RISC-V のロゴであります。そうです、「RISC-Vのコアを書き込むことができる筈」のボードなのであります。実装的にはかなり軽いコアのようですが、このお値段でCPUが動くFPGAはなかなか。

中のボードはこんな感じです。ピンヘッダが付属しているので主要信号(RISC-Vの)をピンヘッダに出してブレッドボードに刺し込みできそうです。フレキのコネクタが2つあり、別途外部接続もできるみたい。

TangPRiMER_Board裏を返すとこんな感じ。

TangPRiMER_BoardBackさて、秋月電子通商殿のページからは、メーカー製品情報とて、以下のページへのリンクが張られています。

Seeed Studio社の日本語サイト

そして、この「メーカー製品情報」のページの下の方に、fumimakerさんのブログへのリンクが貼り付けてあったと。メーカー公認ということでしょう。

しかし、例によって迂闊な私は、fumimakerさんのブログを読むことなく、上記、Seeed Studio社の日本語サイトから辿れるページから、開発環境IDEをダウンロードしてしまいました。

そこでは開発環境 IDEとして

  • TD1812_win.exe
  • TD1903_win.exe

の2種類のファイルが置かれているのです。どうみても下の方が新しそうなのでインストールしてみました。Version4.4のようです。

TangDynasty4_4

インストールしている時間で呼んだ、fumimakerさんブログ記載のバージョンよりも古いではないですか!「メーカー日本語サイト」からのリンク、古いのですね。さっさとアンインストールして、以下のページに行きました。

https://dl.sipeed.com/TANG/Primer/IDE

Linux用のファイルなどと雑然と並べてあるのですが、Windowsで使えそうなファイルは以下の3つです。うち一番下のものは既にインストールしてみて、古いことが分かっています。

  • TD1910_win.zip
  • TD_RELEASE_March2020_r4.6.4_64bit.msi
  • TD1903_win.exe

なお更新日付は皆同じなので、並んでいる順番からすると一番上が新しいような気もしましたが、ファイル名的には真ん中のやつだな。実際、一番上をダウンロードして解凍すると、以下のようでした。

rel191021_r4.6.3_64bit_pre_release_r14759

やっぱり真ん中の TD_RELEASE_March2020_r4.6.4_64bit.msi をインストール。

TangDynasty4_6

これで所望のバージョンが入ったようです。しかしそのままでは、FPGAボードへのダウンロードができません。ここは、fumimakerさん情報によりドライバアップデートいたしました。私の環境では、一応、ドライバをインストールして良いかどうか聞かれるものの、面倒な操作は不要でインストールはできました。

ダウンロードボタンを押せば、以下のようです。

AN Logic FPGA connectedちゃんとデバイス認識されており、接続はOK。さっそく、サンプルプロジェクトを開きました。こんな感じ。中国語のコメントが化けてますが、まあOK。

Tang LED sampleVerilogのコンパイル&論理合成は「RUN」というボタンになっています。

RUN

ありゃー、駄目だ。fumimakerさん情報だと一発完全動作の筈が駄目でした。LicenseExpired

でもま、ERRORの原因は、Licenseの問題だとハッキリしています。中国語のドキュメントしかないので、とりあえず、IDEのメニューから、ラインセンス管理用のメニューなど探してみますが、それは見当たらず。

直接、TD4.6.4インストールホルダ内を探してみると、直下に license なるホルダがありました。そしてAnlogic.licなるライセンスファイルが置かれています。内部を覗いてみるとその期限は

2020-08-02

こりゃ駄目だ。しかしライセンスはどこに行けば貰えるの?ついこの間もArm Keilのライセンス・サーバーが落ちていた件がありました。ここで思い出します先ほどリンクを張った、https://dl.sipeed.com/TANG/Primer/IDE 内になにやらライセンスファイルらしきものが2つ。1本は、上記の8月2日に切れるやつでしたが、もう一本は以下のようです。

2021-02-28

これだね、来年2月まで有効。これをAnlogic.licなるお名前で配置して Runしてみると、コンパイル&論理合成完了。さきほど接続確認できたダウンローダーからbitファイルをボードへダウンロード。

動きました。

しかし、たまにライセンスファイルを探しに行かないといけないのね。

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