前回まで残響生成器の要素部品をScilab使った計算で眺めてきて、ようやく実機で信号処理するかというところになって気づきました。残響させる入力ソース、ぶっちゃけアナログ・マイクロフォンが欲しいです。そこで眠っていた小ボードを発掘しましたが、今度は以前の回の母音合成のフォルマントと比べてみたくなりました。というわけで番外編。
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毎度お世話になっております教科書へのリンクは以下なのですが、今回はぜんぜんデジタル信号処理じゃないです。
三上直樹先生著、工学社『「Armマイコン」プログラムで学ぶデジタル信号処理』
次回予定の「残響生成器」実験の準備というか、第19回の「母音音声合成器」の測定結果の考察?というかのアナログ・オンリであります。ぶっちゃけマイクの波形を眺めてみただけ。
残響しているのを感じるにはマイクが欲しい
第20回で生成した音を聞くのにスピーカを用意しました。今度は音声波形の残響テーマなので、マイクが欲しい、です。実験につかっているSTM32F446REには、外付け「アナログ・フロントエンド」ボードが取り付けられてはいるものの増幅の効果はないです。マイクの出力をそのままADに突っ込むわけにもいかず(マイクの出力レベルはとても小さいので)、増幅してから入力しないとならないです。
そこで思い出しました。以前購入したまま部品箱の肥やしになっていた小ボードです。DFROBOT社の以下のボード。
DFROBOT Gravity: Analog Sound Sensor For Arduino
増幅器つきのアナログ・マイクロフォンのモジュールです。電源、グラウンドを接続するだけでマイクロフォンの波形がADコンバータに突っ込めるレベルになる優れものです。外付けのボルテージフォロワにAC結合のSTM32F446REであれば直結問題なさそうです。しかし上記タイトル通り、Arduinoのアナログ端子に直結する(ADコンバータに直接入力)するとDC結合で負電圧が見えてしまいそうに思えるのだけれど。。。今回はArduinoでないから気にしないことにします。
なお、DFROBOT社の上記製品ページからモジュール回路図とスペックシートなどがダウンロード可能でした。
モジュールにはECMと思われるマイクとともにLM358が載っていました。TIのLM358の製品ページは以下に
LM358 Dual, 30-V, 700-kHz operational amplifier
回路図から推し量るにアンプ2段構成でゲイン300倍(約50dB)とな。
Analog Discovery2直結で波形を観察
動作確認(まさか部品箱の中で腐ってないよね)のため、Digilent Analog Discovery2直結で波形を眺めてみました。こんな感じ。
まずは、時間波形です。「アー」と声を出しているところが以下に。
発音すれば波形が現れ、黙ると平かになるので多分壊れてはいませんな。よかった。しかし、波形みても「アー」も「ウー」も無いです。分かりません。スピーカから音を出して入力してみることも考えましたが(スペックシートを見ると 1kHz音声を基準で各種測定してるみたいです)メンドイ。第19回を思い出しました。
母音音声のフォルマントを観察
第19回で、デジタル信号処理の結果の発音をスペクトログラムで観察しています。今回はマイクから入力した波形をそのままスペクトログラムかけてみればいいじゃん、と。「アー」と発音しているところが以下に。
個別に見てもよく分からんので、アー、イー、ウー、エー、オー と発音しながらスペクトログラムをとった結果が以下に(左からアイウエオです。)
さて、第19回の母音音声合成器で合成した音声のスペクトログラム(再掲載)が以下に。
どうですかねえ、私の声と母音音声合成器の「声」、こうしてスペクトログラム眺めてみれば、フォルマント周波数の傾向、似ているような気がしないでもない。贔屓目?か。ううむ、どうだろ。