今更ですがモバイル機器全盛のご時世なので、3V系や5V系の電池電圧から昇圧して高い電圧を供給してくれるDC-DCコンバータが綺羅星のごとくに存在します。その中で今回はTI製のTPS65131「デュアル正負出力」タイプを搭載したモジュールを使ってみます。電池から±12Vの両電源を作れる一品。
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TPS65131
まずはTI殿の製品ページが以下に。
TPS65131 正負デュアル出力 (代表値 750mA)、分割レール・コンバータ
入力電圧範囲2.7Vから5.5Vと、3V±10%からでも5V±10%からでも昇圧した正電源、および反転昇降圧の負電源を同時に供給できるDCDCコンバータです。出力の最大電圧は+15Vおよび-15V。
正負デュアル出力の主たる「仕向け先」はLCDパネルおよびOLED(AMOLED)パネルみたいです。ディスプレイ・パネルには3V系や5V系では収まらない電圧が必要だと。大人の事情がいろいろあるのね。もちろん正負両電源が必要な他のアプリケーションも苦しゅうないという感じです。
ま、ただ、しかし、この手のカッコイイDC-DCコンバータのチップ、モバイル狙いなだけあって小さいです。このTPS65131も4x4mmサイズのVQFNパッケージです。私ははんだ付けなどできまっせん。
でもま、今回動かしてみれたのは、例によって秋月電子通商殿から以下のモジュールを購入させていただいたため。
ピンヘッダなりなんなりを入出力端子用にハンダづけすれば即実験できます。よかった、そのくらいのはんだ付けならできますです。冒頭の画像を再掲させていただきます。こんな感じ。
中央に鎮座する、レーザマーキングが老眼の目には読み切れないチップがTPS65131です。これが4x4mm角なので、ボードの大きさもお分かりになるかと。他に目立つKの印のデバイスこそはインダクタンスです。こいつらが一番熱くなるみたいなので、大電流を取り出すときは放熱せよ、と。一応、手元にも放熱器の在庫あるのだけれど、こういうときにはどうしたらカッコよく載せられるのだろう?
実機実験
ま、ともあれ実験で小電流を流す程度であれば放熱器など不要。今回は出力の+とGND、-とGNDにそれぞれ10kΩの抵抗を挿入、1mAばかりの電流ながしている状態で、それぞれの出力端子に現れる電圧を確認してみました。なお、こういうもったいない条件のときは電源効率がそれほどよくありません。80%を超える最大変換効率を達成できるのはそれなりにしっかり働いておるときみたいです。
入力にはアルカリ乾電池3本、新しい電池なので3本直列で現時点で実測の電圧4.8V越えのものをINの+とーに接続しました。
基本、入力に電圧を加えれば出力に±12Vが出てくる忘却力の年寄にもわかりやすいモジュールですが、1端子だけENという制御信号がでてます。細かい話はヌキにして、ENをGNDに接続すると昇圧動作は起こらず電池から与えた+電圧がそのまま出力+へ、出力ーはほぼほぼGNDになるようです。そしてENに1.4V以上が加わると昇圧動作を始める、とのことです。となりにつけたスイッチでENの電位を切り替えて確認いたしましたぜ。
さて動作確認は、テスタで電圧測っただけ。手抜き。まずは正電源側出力。
負電源側出力が以下に。
手抜きだけれども動作OK。±12V電源として何実験するか?手元にOLEDパネルなど無いし。。。