ようやく酷暑が和らぎアナログの季節となってまいりました。なんだそれは?今回、前にもやったことがあるような、と思いながらやっていたら、実験完了後に本当にやっていたことが発覚。どうしようかと思いましたが、使っているオペアンプとか回路が微妙に違うし、だいたい忘却力の年寄は忘れていたのだからOKっと(何がOKなのか?)
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アナログ加算回路
アナログ加算回路は、前々回の反転増幅回路の「チョイ先」にある回路です。アナログ電圧をご希望に応じて加え合わせるもの。まさにアナログ・コンピュータ的な回路ね。しかし、別シリーズの以下の回でも、似たような演習をやっていることに実験終わった後で気づきました。忘却力なのよ。
お手軽ツールで今更学ぶアナログ(57) ADALM1000の最後にオペアンプ AD8542
アナデバ様の学習ツールADALM1000(ADALM2000とは違いますぞ)を使った演習です。演習の元ネタは、以下のアナデバ様の記事です。
「ADALM1000」で、SMUの基本を学ぶトピック17:基本的なオペアンプ回路
上記は、短い記事の中に基本的なオペアンプを全部詰め込んでおるので、アナログ加算回路についても説明されてます。
まずはLTspice
忘却しておった過去の実習では AD8542 オペアンプを使ってましたが、今回の実験ではOP07を使ってます。でもま、違いといえばそこくらい。まあ、抵抗の値も違ってましたが
2の倍数の抵抗値でデジタル入力電圧からアナログ電圧を生成する
というDAC動作的な「ありがち」実験であることはまったく同じっす。アナログ電圧を足し合わせても良いのだけれど計算しないと実感がわかないからな。進歩がないな。アナログ出力のアナログ加算器なんだけれども元の入力はデジタルだと。
上記回路のシミュレーション結果が以下に。+電圧の範囲にあるのが入力のデジタル波形です。4信号が重なっているのでちょっと見ずらいですが、どの信号もLOW=0V、HIGH=3Vのデジタル信号であります。
一方負の電圧範囲の黄緑色の信号が出力信号です。「反転増幅」回路の応用なので、各入力毎のゲインを乗じて加算した結果の出力はマイナス方向に反転します。
現物回路で実験
ブレッドボード上に組み立てた回路が以下に。2の倍数系列でちょうどよい抵抗が無かったので、かなり苦しんで抵抗を組み合わせていることが分かりますかの?
さて、上記回路のエクササイズは、いつものとおりDigilent AnalogDiscovery2利用です。入力の「デジタル」信号は、ロジックパターンジェネレータで以下のようにして作ってみました。
上記パターンをブレッドボード上に現物回路に加えた結果が黄色C1の階段状の出力信号です。なお、青色C2はデジタル入力信号のうち、MSB(BIT3)に相当する信号です。
加算しないわけないよな。いっぺんやってる回路だし。