やっつけな日常(59) Gplatesで重力異常を眺める?素人にはよう分かりまへんがな。

Joseph Halfmoon

前回は、プレートテクトニクス「ビジュアライゼーション」ソフトウエアGplatesで大西洋が「割れる」ところを観察し年甲斐もなく大興奮でした。素人老人には訳分かってないのですが、Gplates、面白いっす。今回は添付データの中でも「ビジュアル」が嬉しいデータ群を眺めてみます。重力異常とな。ムムム。

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普段、msecとか、μsecとかを扱っていると、Ma(これも時間単位デス、100万年)などと言われると一瞬バグった単位に思えます。計算してみたらMa≒31.5e12秒ね(本当か?)でもま、高速なデバイスだと、psec単位の遅延とか問題になるからな。psecからみたら秒などMaに似たもんだわいな。

さて今回は時間経過ではなく測定結果っす。重力加速度デス。デバイス屋的にも加速度センサはよく使われるセンサ(自動車のエアバックに始まり、スマホやゲーム機には必須となって久しいです。皆さま一人何個もお使いになっている筈)です。手元にもある代表的なセンサ LSM303AGR(STマイクロエレクトロニクス製)のデータシートを開いてみると、スケールを±2g(gは重力加速度)に設定したときに、センシティビティは0.98ミリジー±7%とな。自動車や人間の動きをとらえるには十分な精度と思えますが、今回ターゲットの重力異常はmGal単位です。重力加速度 1g=980Galなので、一般的な加速度センサのセンシティビティの1000分の1くらいの「ビミョー」な測定の筈。なお、GalはCGS単位系ですけど、「プレートテクトニクス」関連業界?では使ってよいことになっているみたいデス。

Rastersフォルダ

前回、Gplates付属のデータセットには実にいろいろ入っていると書きました。ただし、全てがスペクタキュラーなデータである筈もなく(もともと学術目的のソフトウエアです)、淡々としたデータが多いです。しかしその中にあって、

GeoData\Rasters

配下のデータセットは「ラスタ」データということもあり、素人目にも分かり易い?データセットがならんでいます。まあ、開けば「映える」いうこってす。そのデータセットの中にあって主役を張っているのが

重力異常

なんであります。重力異常に関するデータセットが3種類ある上に、近いもの?が1種類の合計4種類も含まれております。重力異常抜きにはプレートテクトニクスはビジュアライズできんようですな。

重力異常

さて、素人老人が、重力異常を語ってもせんないので、毎度お世話になっております産総研(AIST)様の以下の解説記事へのリンクを貼らせていただきます。

重力異常について(解説)

上記の解説記事を読んでいただくと、今回データセットの違いが明らかになる(かも)です。重力異常、重力異常と言ってもいろいろあるのね。知らんけど。

今回、折角のGplatesなので、日本付近を中心に「全球」的な画像をキャプチャとしてみました。日本とその近くの重力異常に関してはWeb上で以下の地図も見つけました。こちらの方がコマケーです、多分。GplatesはGplatesで付属データでなく原本データにあたればもっと高精細にできるみたいですが。

https://www.gsi.go.jp/atlas/archive/j-atlas-d_j_10.pdf

フリーエア重力異常

最初にロードしてみたのは、以下のデータセットです。

Free_Air_Gravity_Anomalies.gpml

出典は以下だそうです。

Sandwell, D. T., R. D. Muller, W. H. F. Smith, E. Garcia, R. Francis, New global marine gravity model from CryoSat-2 and Jason-1 reveals buried tectonic structure, Science, Vol. 346, no. 6205, pp. 65-67, doi: 10.1126/science.1258213, 2014.

スケール的には、+80mGalから‐80mGalみたいです。微妙な変化ね。日本付近を中心にして眺めたところが以下に。Free_Air_Gravity_Anomalies

海溝部分が凹になっている感じは直観的に分かるけど、ヒマラヤはともかくチベット高原なんかも凹でないかい。標高が高い割にスケスケな岩の上にいるってことかな?分からんなあ。

ブーゲー重力異常

お次は「重力異常業界」の主役?の登場みたいです。ファイルが以下に。

Bouguer_Gravity_Anomalies_WGM.gpml

出典は以下です。

Balmino, G., Vales, N., Bonvalot, S. and Briais, A., 2012. Spherical harmonic modeling to ultra-high degree of Bouguer and isostatic anomalies. Journal of Geodesy. July 2012, Volume 86, Issue 7, pp 499-520 , DOI 10.1007/s00190-011-0533-4

地面の下に埋まっている物質の密度ρの効果を見るためのものなの?これまたわからんなあ。なお、スケール的には+600~-500mGalとなってました。結構デカイのでないかい?Bouguer_Gravity_Anomalies_WGM

 

アイソスタティック重力異常

次も良く分からんです。アイソスタティック。アイソスタシーの親戚筋ですかね。あれもこれも加味してアイソースタシー的なバランスなのかね。知らんけど。ファイルは、以下です。

Isostatic_Gravity_Anomalies_WGM.gpml

出典は以下です。

Balmino, G., Vales, N., Bonvalot, S., and Briais, A., 2012, Spherical harmonic modelling to ultra-high degree of Bouguer and isostatic anomalies: Journal of Geodesy, v. 86, no. 7, p. 499-520, doi:10.1007/s00190-011-0533-4.

スケールは以下の範囲。

+200~‐200mGal

Isostatic_Gravity_Anomalies_WGM

 

Vertical Gravity Gradient(VGG)

お次は直接の重力異常ではないみたいです。Gradientということは「勾配」ですな。どうやって計算するのだろ?当然単位も異なる筈。ファイルは以下に。

Vertical_Gravity_Gradient.gpml

出典は以下だそうです。

Sandwell, D. T., R. D. Muller, W. H. F. Smith, E. Garcia, R. Francis, New global marine gravity model from CryoSat-2 and Jason-1 reveals buried tectonic structure, Science, Vol. 346, no. 6205, pp. 65-67, doi: 10.1126/science.1258213, 2014.

これをビジュアライズしたものが以下に。渋いっす。

Verical_Gravity_Gradient

地球をくるくる回して眺めているだけで楽しいのだけれども、ちょっと計算など出来ねーな。

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