今回は服飾、アパレル系などの方々には常識の話でしょうが、半導体ボケの年寄には聞いたこともない話です。布地のロールとそこに含まれるキズ、汚れなどの「欠陥」のデータです。しかし考えてみれば半導体ウエファ上のディフェクトと同じようなものか?知らんけど。しかしウエファサイズ同様、布地ロールもいろいろある、と。
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生涯わずかに数度、生地・手芸用品店さんなどに足を踏み入れたことあり。そこにロール状にまとめられた布地が販売されていることは存じ上げておりました。まあ電線も「ボビン」に巻いて売られているし同じようなもんかと(電線加工している「灼熱の(品質管理のため)」工場へ工場見学へ行ったことはあり。)電線の太さの規格などは暗記しないまでも「ファミリア」な感覚をもつ「偏った」年寄、ロール生地の規格などには無関心でありました。
テキスタイル・マシン(織機)は機械工業の源流の一つ
でもよく考えてみると、自動織機こそは近代的な機械工業の源流の一つであります。産業革命ね。ドイツ・ミュンヘンのドイッチェランド博物館のテキスタイル・マシンの展示、超充実。産業革命の偉大さが思われます。日本にも織機の歴史などを振り返るような場所があるのか?
さて、ゴタクを並べましたが、工業製品であり、製造装置があるのであれば幅や長さに「規格」があることは必定。さらに言えば「ある確率で欠陥」が発生することも多分必定。その辺の事情を素人の老人にも分かり易く説明してくれるページが無いかいなと探したところ見つけました。『(株)古川商店』様の以下のページであります。
充実の記述であります。また新たな地平が開けた感じがいたします。上記ページより1か所引用させていただきます。
生地は原糸を織っているか編んでいる物になります。基本的に繊細な物が多いためキズやシミなどが反物の時点で付いている可能性があります。日本紡績検査協会の検査基準でも1反55mにつき6ヶ所までがA反となります。
おお半導体ウエファのディフェクト・レートみたいなものか。布地は用途に向けた幅のロール状の「反」で出荷されるようなので、欠陥レートは当然長さあたりのようです。
今回のサンプルデータセット
今回のサンプルデータセットは、R言語のパッケージbootに含まれている cloth というデータ名のものです。解説ページが以下に。
生地のロールの長さとその中に見つかった「欠陥」のデータです。ただし長さの単位は不明、R言語の通例、英米系の単位を使っているのでヤードとかフィートなのか。。。インチにしては短すぎるし。幅や生地の種類など一切の記載なく、長さと欠陥に集中せよ、という感じのデータです。ま、bootパッケージは、ブートストラップ法のサンプルデータセットであるので当然か。余計なことばかり調べている年寄はちょっと残念。
先ずは生データ
単純で小さなデータフレーム、含まれている「列」はx(長さ)とy(欠陥数)のみです。
やはり「単位長さあたりの欠陥数」を求めないと埒が明かないのではないかということで以下のように計算してみました。
cloth.work <- cloth cloth.work$ratio <- cloth.work$y / cloth.work$x colnames(cloth.work) <- c("length", "flaws", "ratio") hist(cloth.work$ratio, main="Number of Flaws in Cloth", xlab="Flaws per length")
布地の場合、こんなものなのかね?
ブートストラップ法を適用してみる
今回は、訳も分からず「ブートストラップ法」を適用してみましたぞ。手順はこんな感じでどうよ?そんないい加減で大丈夫か?
flawsMean <- function(d, i) mean(d$ratio[i]) work.flawsMean <- boot(cloth.work, flawsMean, R=32, stype = "i") plot(work.flawsMean)
計算結果が以下に。
それらしくはあるけれど、なんだかな~。良いも悪いもこれだけではなあ。