忘却の微分方程式(124) 反復練習87、放射性物質の半減期、Maxima

Joseph Halfmoon

前回は吉例?「真空中の重力落下」でした。微分方程式の場合「吉例Lチカ」的な問題がいくつもあり、今回は放射性物質の崩壊(半減期)です。急速になのかダラダラなのか、ある一定の割合で崩壊していくアレです。Maxima様にお願いすれば微分方程式を解くのは一撃ですが、具体的な核種についてグラフを描かずにはいられませぬ。

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※数学のお勉強のための以下の教科書の例題をMaximaの練習に使わせていただいております。ただし御本家『培風館』様のホームページで検索してみるも掲載されていないようです。絶版? そのため以下のリンクは『Amazon』の通販ページであります。ご注意を。

明解 微分方程式 改訂版 長崎・中村・横山共著 培風館

※MaximaおよびそのGUIであるwxMaximaの以下バージョンを使用させていただいております。

    • Maxima 5.46.0(x86_64-w64-mingw32)
    • wxMaxima 22.04.0
放射性物質の半減期と今回の例題

教科書の例題は比例定数kとか「数学風」だったので、変数名を物理風に書き変えた今回の例題は以下のようです。DE_3_Ex2_Formula

微分方程式はシンプル。お答えは皆さんご存じのとおり、ある一定時間T(半減期)毎に残っている元の核種の原子数は半減していくと。

その辺お国も解説してますな。『環境省』様

半減期と放射能の減衰

まあ、放射性原子同士が談合しているわけでもなく、単にテンデンバラバラに崩壊していくのを「遠くから」眺めていると確率的にそう見える、というだけのことでしょうが。

微分方程式を解く

例によって微分方程式をMaxima様に渡せば、1,2の3で答えがでます。こんな感じ。DE_3_Ex2_Results

なお%eは、Maxima処理系の中での自然対数の底 e の表記です。

答えが出たので、何か特定の核種を当てはめてグラフを描きて~

崩壊定数λと半減期T

放射性物質の半減期Tは検索すればすぐにヒットしてきますが、崩壊定数λの方はメンドクセー数値になるせいか半減期Tから計算しろ、ってことみたいデス。Tからλを求める関数を定義しておきました。こんな感じ。T2lambda

特定の核種の半減期Tから残っている原子の数のグラフを描く

初期状態のN0=100(100個でも100%でも良い)として、半減期から残存原子をプロットしたグラフが以下に。

    • ヨウ素131

半減期は8日ということで以下のようになる筈iodine131_plotOPR

プロットは以下に。iodine131

    • ウラン238

半減期は約45億年(地質学の単位Ma=100万年使うと4500Ma)ということで地球開闢以来のウラン238の残存量をプロットすると以下のようになるかと。uranium238_plotOPR

プロットは以下にuranium238

現代は、ウラン238がちょうど半分になったあたりなのね。ウラン235の方はとっくに少なくなっているケド。

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