データのお砂場(121) R言語、islay、アイラ島の珪岩の古磁気の方角、{boot}

Joseph Halfmoon

Rのパッケージ「Boot」に含まれるサンプルデータセットをabc順に経めぐってます。今回はislayとな。スコットランドはアイラ島でとれた珪岩の古地磁気の測定データみたいです。1回計算した後に気づきました。アジマスって角度だよな。0°から始めて360°までいったら元に戻るんだった。ダメじゃん、そのまま計算したら。

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アイラ島

アイラ島、Islayと続るだけでアイラ島を意味するみたいです。スコットランドはヘブリディーズ諸島南端にある島らしいです。お隣がJura島ね。勿論、行ったことなどありません。しかし、今回調べてみて、無縁というわけでもないことに気づきました。遥かな昔、仕事で何度かスコットランドへ行ったことがあるのです(仕事なので、半導体関係のぐちゅぐちゅした話をして終わり。)流石に日帰りも出来ない場所なので、夜泊まります。そしてスコットランド人とお酒を飲むのです。スコットランドに来たのだからこれを飲めと勧められるのが Laphroaig というスコッチでした。当然、ショット・グラスでぐい飲み。なんだか薬品を飲んでいるような強烈な香りです。過激。「ラフロイ」と発音しているように聞こえましたが、ラフロイグという方が良いのかな(現在は巡り巡ってサントリーの資本傘下に入っているらしいデス。)この酒が、アイラ島の産であることに今回気づきました。北の島にはピート(泥炭)が取れる土地が広がっていて、それを使って蒸留するので過激な香りの酒になるみたいっす。

Jura Quartzite

さて今回のサンプルデータセットは、スコッチではありません。Jura Quartziteという名の「珪岩」の古地磁気の方向の測定データです。Juraというから地質学素人の老人はてっきりジュラッシック・パークのJurassic?と早合点しかけました。でもジュラ紀の「ジュラ」はアルプス山脈の方みたいです。多分こちらのJuraは、アイラ島の直ぐお隣(地図では狭い海峡を隔てているだけにみえます)のJura島のJuraみたい。知らんけど。

調べていたら Jura島の風景が掲載されているサイトを見つけました。美しい海岸線に「岩石の露頭」が続いてます。

Wild Walks on the Isle of Jura

この辺の続きの岩なのかね~と思っていたら、流石、英国です。地質学のツアーにピッタリのサイトがあることに気づきました。『EARTHWISE(TM)』様

The digital publication channel for the British Geological Survey

上記サイトの以下のページに Jura Quartize を堪能できる場所への案内がのっておりましたぞ。

Dalradian rocks of Jura – an excursion

蛇足次いでにもう一つ。流石、英国などと思って調べていたら、日本には『地磁気・古地磁気・岩石磁気研究会』様があることに気づきました。以下はそのメンバ様の一覧っす。

国内の古地磁気・岩石磁気ラボ

サンプルデータセットの解説ページ

以下、Bootパッケージのサンプルデータセットの解説ページです。

Jura Quartzite Azimuths on Islay

小さなデータセットで、以下の値が並んでいるだけのものらしいです。

The angle of the azimuth in degrees East of North.

後で上記の一行に統計素人の老人はちゃぶ台返しをくらうことになります。

まずは生データ

例によって生データはこんな感じです。シンプルなデータフレーム、列は1列だけ、その値は角度(整数値みたいです。)islayRawData

この状態のサマリを見ると「ばらばら」なデータに見えました。こんなんで良いのか。

そのまま処理してしまった場合

18点しかない小さなデータです。特に処理例もないようなので、とりあえずboot関数かけて boot.ci関数通してみることにしました。bootパッケージのサンプルデータだもんね。処理手順はこんな感じ。

MthetaF <- function(d, w) mean(d$theta * w)
Mtheta.boot <- boot(islay, MthetaF, R=18, stype ="w")
boot.ci(Mtheta.boot, conf=0.90, type="norm")

この何もしない素のデータのままのboot.ciの結果(90%信頼区間)が以下に。islayBootCI

ここにいたりてようやく気付きました。Azimuthとして0から360までの数字が記載されているけれど、360のお隣は0じゃん。でも上記は0から360までを素のまま平均とっている!

角度であることを意識して処理しなおし

thetaは角度であるということで、180°を超え360°までは負の数にしてみました。すると、0を中心に両側にバラツクはず。

islay.work <- islay
islay.work[islay.work > 180] <- islay.work[islay.work > 180] -360

上記の変換したデータセット、islay.workを使ってboot、boot.ciかけたものが以下に。

work.boot <- boot(islay.work, MthetaF, R=18, stype ="w")
boot.ci(work.boot, conf=0.90, type="norm")

bootの計算結果が以下に。islayBoot_WORK

boot.ciの計算結果が以下に。islayBootCI_WORK

結構 0°に近いところにまとまった気がする。素のままのプロットと角度であることを意識して計算した時のプロットを並べてみるとこんな感じ。islayBootPlotEC

やっぱり、右側の青色の方があるべき姿であるような気がする。。。

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