「なんちゃってな図」と「ほんわかした説明(数式なし)」により分かったような、そうでないような気持になるシリーズの第2回であります。前回は「半導体につきもののP型、N型」などというものを図にしてみました。今回はそのP型とN型を隣り合わせにくっつけたらどうなるか絵にしてみます。ダイオードってか?
スポーツの世界で「ドーピング」というとヤバイ奴ですが、半導体の世界ではこれなしに居られませぬ。ごくごく微量な不純物を「(ほぼほぼ)完全無欠な半導体結晶」に「ドープ」するのでありますな。結果が、前回のP型とN型の半導体になるわけであります。
さて今回はこのP型とN型をガチャンコと引っ付けたときの絵からです。前回の絵では、シリコン原子以外に不純物原子などを綺麗に並べておいて、その間に青丸で電子、また電子が抜け出た「空席」である正孔を白丸で描きました。今回は結晶の根幹をなすシリコン原子やら不純物原子などは皆省略してしまい、ただ空間に電子と正孔だけを描いています。こんな感じ。
左の方と右の方のあたりは、前回の図と変わりませぬ。不純物原子(イオン)があることで「提供」された電子や正孔が、勝手気ままにさまよっておるみたいです。しかし、P型とN型を接触させている真ん中の境界付近ではそうはいかないようです。「勝手気ままにさまよって」いる電子と正孔、ともすれば境界を越境することもあるみたいですが、超えると「出会い」が待ってます。外れもので「席」がなくうろついていた電子は正孔という居場所を見つけて「落ち着いて」しまうらしいです。目出度い。しかし、電流の担い手になる筈の自由に動ける電子や正孔を失った「真ん中」辺には、越えがたい荒野が広がります。これを空乏領域と唱えるらしいです。ここがあるために、左右のP型、N型領域は電気的には分離された形っす。お互いに鎖国状態。
しかし、一たびP型にプラス、N型にマイナスの電位を与える(簡単に言えば電池の+極、-極をそれぞれに接続)とこんな感じ。
電子はマイナス、+側に向かって殺到します。正孔はプラス、-側に向かいます。この電圧の力の前に真ん中の荒野は消滅、つつーに電気が流れてしまうっと。当然、電子と正孔の出会いも頻発、その出会いのエネルギーを可視光や赤外線といった光にするのがLEDらしいです。
不純物原子はどこかに行ってしまうわけではなく、また電池によって電圧がかかり続けているので、滔々と電流は流れつづけると。
反対方向に電圧をかけた場合は「荒野がより広くなる(電流は流れない)」というのが第1のお答えであります。しかしここには待ち伏せもあり。それはまたそのうち。