Rのパッケージ「Boot」のサンプルデータセットをabc順に経めぐってます。今回はpaulsenとな。昨今、シナプスにおける情報伝達など現代人の基礎知識だと。しかし、興奮性シナプス後電流(EPSC)にも何種類もあり、そいつらが「量子的」(とびとびの値をとるということか?)とか言われると恍惚老人にはついていけませぬ。
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ニューロとか言われるとついつい別な方面を思い出すお惚け老人ですが、「今回も」本物のニューロンです。そういえば、同じようなことを第125回でも書いたな~。
paulsenサンプルデータセット
サンプルデータセットの解説ページが以下に
Neurotransmission in Guinea Pig Brains
ぶっちゃけモルモットの脳の視床下部の脳細胞を「切り出し」た切片で記録された電流のピーク振幅のデータらしいです。切り出された奴らはお亡くなりってことだな。合掌。測定の単位は pA とな。とっても微小。なおpaulsenというサンプルデータセットのお名前は、このデータを提供してくださった博士(オックスフォード大薬学部)のお名前みたいです。
記録されているのは興奮性シナプス後電流(EPSC、excitatory postsynaptic current)ということで、シナプスの前後に「接続」されているニューロンのうち「後」の方が「興奮」して発生する電流みたいです。切り出された切片なので外から刺激が到来することはないのでしょう、それでも勝手にニューロンは興奮して電流が流れることがある、その動きが大事みたいっす。知らんけど。
ざっくり、「通常」の電気刺激によって誘発されるもの(evoked EPSC)以外に、以下のような刺激抜きに発生するEPSCというものがあるらしいです。
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- 自発性のもの(spontaneous EPSC)
- 微小シナプス反応(miniature EPSC)
sEPSCとか、mEPSCとか言われてもお惚け老人には何だか分かりませぬ。調べていたら、以下のページに投げかけられた質問に、アチコチの大学の人たちが食いついて議論していたので掲げておきます。
どうもね、上記ページの議論を読んでいると、前段の刺激がないけれども、シナプスに伝達物質が放出されて後段に電流が流れるのがspontaneousで、後段だけで勝手に電流が流れるのがminiatureらしいです。なんだかな~。分からんよな~。そしてそいつらは1発1発が意味を持っているのでなくて、複数発がまとまって、かつ量子的にトビトビであるとか、ないとか、そんなところを調べるためのデータらしいです。もー分からん。
先ずは生データ
普通のデータ・フレーム形式ですが、中に詰まっているのは1列yだけです。ただただ、微小電流値 pA を並べてあるもの。計346点と。
最小 2.9pAから最大28.8pA、どうもピークは8pA前後にありそうな。
ヒストグラムを描いてお茶を濁す
トビトビの値になるのであれば、ヒストグラムでも描けば何か見えるかもと闇雲に描きました。まずは以下で。
hist(paulsen$y)
上記では「目が粗い」感じがしたので、も少し細かくしてみました。えい。
hist(paulsen$y, breaks=50)
もういっちょ細かくしたらどうよ。
hist(paulsen$y, breaks=100)
まだ足りない?
生データの346点じゃ、目を細かくしていくとFrequencyが減ってしまうので、ブートストラップ法を使って、もっと多数回の挙動をシミュレーションしてみるってもんなのか?やらんけど。