定番回路のたしなみ(50) Rectifierその2、単相全波整流回路

Joseph Halfmoon

前回の「単相半波整流回路」のシミュレーションにはウソなところがありました。シミュレーション的にはショウガナイ(ノージンジャー)ということであります。しかし今回、単相「全波」整流回路をやる段になって、前回のようなウソッコな行き方ではシミュレーションできないこととなりました。真面目にとりくむ(誤魔化す)べしと。

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前回「回路」のウソなところ

ズバリ前回回路のウソなところは以下です。Rectifier1FIX

上記図で青色で描いたノード、現物回路的には単相交流電源の2つあるノードのうち、「もう一方の」ノードに接続してなければなりませぬ。ただしアカラサマに「そう」つないでしまうとシミュレーションは出来ませぬ。なんといってもSPICEはGNDノード(ノード番号0番)を絶対的に求める処理系だからです。幸いにも前回は「半波整流」であったので、単相交流電源がマイナス方向に振れているときは無視、で雰囲気だせました。そこで青色でなく、GNDの三角印を散りばめても動作して(見えて)おったと。

単相全波整流回路

今回嗜んでみるのは、交流電源は単相でも全波整流回路です。ダイオード・ブリッジ使って整流するタイプです。足が4本の四角いダイオードブリッジ、在庫にもあったハズと思ったのですが、手近なところには見つかりませんでした。多分使いもせんだろ~ということで奥の方に仕舞ってしまった?まあ、どうせシミュレーションでお茶を濁すの回なので、前回同様 1N4007に御登場いただきシミュレーションを実施と。

今回の回路図が以下です。中央に1N4007x4個で構成したダイオードブリッジが燦然と鎮座しております。Rectifier2Circuit

 

今回は前回と違って、交流電源がマイナス側に振れている半サイクル部分も知らんぷりできないので、上記のように「見掛け2電源(逆相)」としてあります。本来だったら単相の入力2本です。SPICEの場合、どこかに必ずGND(絶対的な電位0)を置かないと始まらないのであります。

シミュレーション結果が以下に。黄緑がVpの交流入力点波形、灰色がもう一方のVnの交流入力点波形、赤が出力波形です。赤に4種類あるのは前回同様、負荷相当の抵抗RLの値を4通り計算しているため。Rectifier2SimResult

雰囲気、前回と似た波形ですが、前回「無駄」になっていた負の側に振れている期間が、ダイオードブリッジのお陰で折り返されて「有効活用」されている感じが良いです。

なお、.MEASコマンドで計算してもらった実効値が以下に。MEASURE_RMS2

ここまでくると、次はトランス入れて電圧を落とすことにしたいっすけど。

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