アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』の2024年9月号(和文版)の実習1回目です。今回はエンベロープ・ディテクタ、包絡線検波器です。やっぱ一番の応用はAMラジオですかね。でも最近AM局は寂しい感じっす。AM信号からエンベロープ取り出すのは一撃?でもシミュレーションしようとしたら手こずりました。
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※学生でもないのに勝手に実習をさせていただいておりますアナデバ様の記事(日本語版)が以下です。
包絡線(エンベロープ)
本サイトでも、包絡線、度々「取り扱った」おぼろげな記憶があるのです。調べてみるとありました。こんな感じ、
手習ひデジタル信号処理(110) Scilab、包絡線検波の自前関数作成
上記では、みんな大好きフリーウエアのScilabを使った包絡線検波の自前関数を作成。ASK?的なサンプル信号に適用してました。でも、いろいろ具合の悪いこともあり自前関数の改善後を引いてます。
手習ひデジタル信号処理(113) Scilab、クロックリカバリ?ASK信号を復調
上記では、Scilab使った包絡線検波の自前関数の改良版?を一応完成。前の例よりは「実用的?」なサンプル信号に対して適用してみてます。大丈夫か?
また算術的なところでは、これまたみんな大好きフリーウエアのMaxima様を使わせていただいた以下記事も有ります。
忘却の微分方程式(99) 反復練習62、曲線群の包絡線(envelop)を描く、Maxima
上記では、「曲線群」について数学的に包絡線の求め方を練習してます。
こうしてみると包絡線を扱ったことがあるといっても、デジタル信号処理的な意味でか、算術的な意味です。今回はアナログ回路デス。
アナログな包絡線検波回路
大昔、ゲルマニウム・ダイオードを使ってAMラジオを作った遠い記憶。そのときに活躍していたハズの回路に似たもの(シリコンダイオードだけれども)が以下に。
エンベロープ・ディタクタ部分は黄色の枠内です。ダイオード、抵抗、コンデンサが各1個とな。アナログ回路としては超シンプル。間違いない。
しかし、何やら恐ろし気な箱が左側に鎮座してます。左側の部分はLTspice上で、AM変調波形を作り出すための「お道具」回路です。ライブラリの中の
Special Functions
というフォルダの中に鎮座している modulator という「ビヘイビアな素子」です。AM変調波形を得る場合、以下のごとし。
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- AM搬送波周波数は Valueフィールドに mark=周波数という形で与える(markは本来FM変調の時の周波数だけれども。)なお、space=もFM変調のときに使う設定だが、(使わなくても)指定しないといけないみたいっす。
- FM入力端子はGNDに落としておく。するとmarkの周波数が出続けるみたい。
- AM入力端子に信号波形を与える。その振幅Aとか変調度kに応じて信号波形は自前で作らないとならない(ちょっとメンドイ。)
今回は、LTspice上で、アナデバ様の元記事の最初の回路とほぼほぼ一致する結果を得る設定にたどり着くのに結構時間かかりました。シミュレーションのみです。いつもの手抜きだよ。
LTspiceシミュレーション結果
一番上の緑の波形が信号波形です。真ん中のピンクの波形が搬送波を信号波形で変調した波形です。そして一番下の赤の波形が変調波形からエンベロープ・ディテクタを通って取り出された波形です。若干波形がごちゃごちゃしているけれども、元の緑の波形に戻ったような。。。
ダイオードとR、Cで出来たじゃん。あのデジタルな関数で押したり引いたりしていたのに比べたら一刀両断、単純明快。