
前回、Educationalフォルダに格納されていたBCDカウンタ74160のモデルを動かしてみました。Educationalフォルダを探してみると、他にも「現物デバイス」のモデルが格納されているみたいです。興味シンシンよのう。今回は古のモトローラ社の電圧制御発振器MC1648のモデルを練習してみます。
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Voltage Controlled Oscillator、MC1648
MCという型番で電子デバイスに精通された姉貴兄貴の皆さまにはお分かりのとおり、「モトローラ」社のデバイスです。かってモトローラ社の半導体部門は切り出されてフリースケール・セミコンダクター社となって独立し、その後、欧州半導体の雄NXP社の傘下に入ってます。今回のMC1648は、かつて「定番だった」石みたいですが、既にモトローラ時代にディスコンに近かったのではないかしらん。NXP社でサーチしても該当品種はみあたりませぬ。しかし、後継?の電圧制御発振器が、ラインナップされとりましたぞ。
上記のリンク先はNXP社のサイトであり、現役?みたいです。上記のデータシートをみるとモトローラの文字が燦然と輝いており、その上にフリースケールの文字が見え、そして肩のところにNXP社のロゴがあり、という歴史を感じさせる逸品であります。
MC1648のモデル
さて、Educationalフォルダ所蔵のMC1648のLTspiceモデルが以下に。黄緑色の枠を勝手に描き加えてあるのが、MC1648相当部分の回路です。
なお、調べていたら、いつもお世話になっておりますCQ出版様の以下のページで、まさに上記の回路を使ってその動作を解説されてました。
よってアナログ素人老人がその動作について云々することは止めます。
下の黄緑の波形が出力の発振波形、上のピンクが外付けのL1を流れる電流みたいです。「発振が安定」してそうな部分を取り出した波形が以下に。
ズームした波形部分をFFTにかけてよみとった周波数が以下に。
なんちゃって入力回路で「電圧制御」してみる
上記の回路でちゃんと発振しているところはシミュレーション出来ているみたいですが、入力電圧変えると発振周波数が変わるところは見えてないなあ。というところで、サイテーな「なんちゃって」回路で入力電圧を変化させてみました。追加したのは以下の部分です。
バラクタを介してV2をつないでやり、V2(Vin)の電圧を変更したら、発振周波数くらい変わるっしょ、という目論見。
なお、LTspiceのデフォルトのライブラリを開くと、以下のようにバラクタは2種類のみ含まれています。
V2で与える入力電圧を変化させて観察したVoutの発振周波数が以下に。
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- 2.0V、 27.874336MHz
- 2.5V、 28.281937MHz
- 3.0V、 29.06289MHz
まあVCOしている雰囲気はあるっと。いいのかそれで。