
溝口純敏様著「Maxima を使った物理数学基礎演習ノート」(以下「演習ノート」と略)を拝読中。今回は39ページ「3.3.6 変数変換」です。今回は流石のMaxima、ode2関数も「素のまま」では解けない微分方程式です。演習ノートの方法で演習ノートの方法で段階踏めば解ける。しかしGoogleの生成AI、Gemini様に投げたらば一撃。
※「忘却の微分方程式」投稿順 index はこちら
※ MaximaおよびそのGUIであるwxMaximaの以下バージョンを使用させていただいております。
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- wxMaxima 22.04.0
- Maxima 5.46.0(x86_64-w64-mingw32)
- SBCL 2.2.2 (SBCL = Steel Bank Common Lisp )
※ Maxima を使った物理数学基礎演習ノート は以下のバージョンをダウンロードさせていただきました。
令和4 年3 月 第八回改訂
※ 方程式の解を求めるのに Googleの生成AI、Gemini 2.5 Flash を使わせていただきました。
今回の例題
今回の例題は、以下の微分方程式です。なお、yはxの関数です。
\( x y y” – x (y’)^2 + y y’ = 0 \)
演習ノートの方法でMaxima様で解いてみる
まずは上記の方程式を「素のまま」ode2関数に投げつけてみたところが以下に。
何時もは切れ味鋭い ode2関数ですが、つれなく false と。まあ、ode2関数も対応できんものはある、と。
そこで演習ノートでは、変数変換して「ode2が解ける」形に持ち込んでます。そのため、yはtの関数、tはxの関数と「2段」にして(緑枠)、微分方程式を書き直してます(赤枠。)
上記と同じ操作を演習ノートの丁寧な?書き方で実施したものが以下です。
xが消え、tに関する微分方程式になっております。しかし、結構複雑だよ。
しかし、因数分解後、ode2で解けるようになってました。このtで書かれた解をxを使って書きなおし、radcanで整形すればお答えが求まります。よかった。でも、自分じゃ解けねー気がする。
Gemini様にお願い
さて例によってGoogleの生成AI、Gemini 2.5 Flash様にお願いしてみます。まずは方程式を読み込ませた最初のところ。
黄色のマーカのようにまずは前置きしてから以下のように「試行錯誤」?してらっしゃいます。
まあ、結構いい所ついている気がするのだけれど、Gemini様はとりあえず別な方向へ行くみたい。
結構紆余曲折あって、かなりな行数を使って途中経過をお知らせいただきましたが、ちゃんとお答えにたどり着きました。上記では省略してしまいましたが、「確認」ということで検算までしてくれているので、安心。
しばらく Gemini様のhallucinationに出会ってない気がする。別件で勉強した機械学習のコースによるとhallucinationよりもconfabulationという言い方の方が正しいみたいですが。