SPICEの小瓶(73) LTspice、{Educational} IGBTのDC解析

Joseph Halfmoon

LTspice配下のExampleフォルダ内Educationalフォルダ所蔵の回路図を経めぐってます。前回は謎のサブサーキットでした。今回は、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ)です。 高電圧・大電流のスイッチングに使われるMOSFETとバイポーラの合わせ技的パワーデバイスです。まあDC解析は単純明快?

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※アナログデバイセズ社のLTspiceのガイド、ヒント、便利な情報については以下へ。https://www.analog.com/jp/resources/design-tools-and-calculators/ltspice-simulator/ltspice-recommended-reading-list.html

IGBT (Insulated Gate Bipolar Transistor)

IGBTは、「バイポーラトランジスタのベースをMOSFETで駆動する形(とはいっても単体デバイスそのものとは違うが)」のパワー半導体デバイスっす。例によってGoogleの生成AI、Gemini 2.5 Flash様にお教えいただくとこんな感じ。gemini_IGBT

回路的には、「バイポーラ」のように電流を流せるくせにMOSFET同様に電圧で制御ができるデバイスです。なお、パワーデバイスというと、最近GaNとSiCが人気者になっているので、そいつらとも比較していただきましたぞ。こんな感じ。geminiIGBT_GaN_SiC

頭文字「Z」

さて、Spiceに精通された姉貴兄貴の皆さまならばよーくご存じの通り、LTspiceに限らずSPICE系のシミュレータであれば、デバイスの頭文字には意味があります。いつもお世話になっているトランジスタであれば、以下のようなものが代表選手だと思います。

    • M、MOSFET
    • Q、バイポーラトランジスタ

ところが今回のシミュレーション回路に登場するのは「Z」です。なんだそれ。

Z. MESFET and IGBT Transistors

だそうです。昔のSPICEには無かったような気がする。ともあれ、頭文字「Z」はMESFET(Metal-Semiconductor Field-Effect Transistor)もしくは IGBT( Insulated Gate Bipolar Transistor)であるみたいです。2つの異なるデバイスで頭文字をシェアしているので、区別はmodel文で行う必要があるみたい。IGBTを選択する場合は、

.model MODELNAME NIGBT

NIGBTと指定すると、LTspiceが内蔵するIGBTのモデルのデフォルト値が適用されるみたいです。ちょっと調べてみたところでは、標準ライブラリの中に具体的な製品デバイスのモデルは含まれてないみたいです。どうもRohm社のサイトなどへいくと自社製のIGBTデバイスのLTspice向けモデルがダウンロードできるみたい。こんどやってみるか?

今回「鑑賞」してみるEducationalフォルダ所蔵の回路

そのものズバリの

IGBT.asc

というファイル名です。回路図が以下に。IGBTcircuit

電源V1を緑枠部分で、V2を黄枠部分で制御して描くデバイスZ1のDC解析です。モデル名はNIGBT、そしてtypeもNIGBTです。こうするとLTspiceのHelpファイルの「Z」の項の下の方に記載されているIGBTデバイスのパラメータが適用されるみたいっす。

そのシミュレーション結果が以下に。IGBT_DCsim

Y軸をご覧くだされ、上の方をみると60Aとか平気で書かれてます。普段、しょぼくれたMOSFETばかり扱っているお惚け老人からするとカイデー。でもIGBTの実力、こんなもんではないでしょう。どうなんだ?

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