
LTspice配下のExampleフォルダ内Educationalフォルダ所蔵の回路図を経めぐってます。前回はIGBTでした。今回は車載っす。 ISO 16750-2、車載用のデバイスに対する負荷試験の波形規格です。こんな酷い電源波形でも、マズいことが起こってしまうようだとシバかれるみたい。キビシ~(若者は知らんか?)
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※アナログデバイセズ社のLTspiceのガイド、ヒント、便利な情報については以下へ。https://www.analog.com/jp/resources/design-tools-and-calculators/ltspice-simulator/ltspice-recommended-reading-list.html
車載用負荷試験波形
今回拝見させていただきますEducationalフォルダ所蔵の回路図のファイルは以下です。
ISO16750-2_example.asc
もろISO16750-2のお名前を冠したファイルであります。ISO16750-2規格について、素人老人が云々するのも何なので、例によってGoogleの生成AI、Gemini 2.5 Flash様にかいつまんでいただくと以下のような規格です。
大事な規格だね~。車載というだけで腰が引けてしまうような部品屋はお呼びでない規格です。
さてアナデバ社でもLTspice向けにこの規格の解説記事を出しておられます。以下は日本語版ページへのリンクです。
LTspice:ISO 7637-2/ISO 16750-2で定義されたトランジェントのモデル
今回の回路
試験の際に電源に印加するべき「波形」の過渡応答モデルのうち以下の2つに対応しているようです。
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- 4-6-3_12V_StartingProfile
- 4-6-3_24V_StartingProfile
車両始動時の、電源電圧のプロファイル波形ということみたいです。ちょいと調べてみると、ISO 16750-2 には、自動車のバッテリーシステムに関連する複数の試験が含まれており、ざっと、
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- 供給電圧変動試験、定常状態と過渡状態(エンジン始動時や高負荷時)、電圧降下、電圧上昇
- 過電圧試験、オルタネータ故障、接続ミス等による異常電圧
- ロードダンプ試験、運転中のバッテリ切り離し時のサージ電圧耐性など
- 逆極性試験、バッテリの逆接続(よくあるみたい)
U1の右クリックから、上の図のようにプルダウンメニューを引き出して「プロファイル」を選択できるようになってました。沢山ありすぎて、一通り眺める気力すらもありません。上記の解説記事のリンクに定義と波形がバッチリ掲載されているので、そちらをご覧くだされ。
シミュレーション結果
回路図のデフォルトで設定されていた波形を拝見させていただきました。
上の緑色が12V車のときのプロファイル、下の赤色が24V車のときのプロファイルです。家の大衆車は12Vだったような。素人老人はよく見てないっすけど。ダメじゃん。業務用の大型車などは48V車もあるのかな?その辺の規格はまた別っていうこと?
こんな波形でも誤動作してよからぬことが起こったり、壊れてしまうと大問題になるのでしょう。車載はやっぱりキビシー。