
LTspice配下のExampleフォルダ内Educationalフォルダ所蔵の回路図を巡回中。今回は noiseシミュレーションです。アナログ素人老人が踏み込むのが躊躇われる分野ですが、フォルダに「手を突っ込んで札を引いたら」出てきてしまったので致しかたありませぬ。後は野となれシミュレーションか。大丈夫?な筈ないか。
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※アナログデバイセズ社のLTspiceのガイド、ヒント、便利な情報については以下へ。https://www.analog.com/jp/resources/design-tools-and-calculators/ltspice-simulator/ltspice-recommended-reading-list.html
noise.asc
今回のExample回路図のお名前は noise.asc です。回路図が以下に。

ノイズ・シミュレーションのExampleということで所蔵されておる回路に間違いないようです。ディスクリート・トランジスタを使った「典型的」アンプ回路みたい。でも部品点数がチョッチ多めデス。ハッキリ言ってアナログ素人老人にはちょいとムズカシーです。実際、各部品の「ノイズ寄与度」みたいな計算値をプロットする機能があるのですが、部品多過ぎで何が何やらサッパリっす。最初は、もう少し「シンプル」な回路が良かったな。
と思ったら、以下のYouTube動画に、もっとシンプルなオペアンプ回路でノイズシミュレーションしているものがありましたぞ。こっちゃの方が良かったかも。後の祭りなんだが。
LTspiceにおけるノイズ・シミュレーション
素人老人が、LTspiceのHelpファイルの内容を受け売りすると以下のようなシミュレーションである、ということみたいです。
ジョンソンノイズ、ショットノイズ、フリッカーノイズによるノイズを計算する周波数領域解析。出力は単位平方根帯域幅あたりのノイズスペクトル密度
怖れを知らぬ素人老人がこれまた受け売りすると
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- ジョンソンノイズ(熱雑音)、絶対零度でない限り逃れられないノイズ。温度と抵抗値に比例し、電流には依存しないホワイトノイズ。
- ショットノイズ、荷電粒子が「どこぞ」を通過するときの統計的ゆらぎ。周波数には依存しないが、直流電流の平方根に比例。
- フリッカーノイズ(1/fノイズ)、欠陥、不純物による移動度のゆらぎ。ピンクノイズ、直流電流に依存。
まあ、他所のちゃんとした解説などご覧くだされや。
シミュレーションの設定は以下のようです。まずは、入力と出力ノードを指定する必要あり。後の帯域の指定などはAC解析に準じる感じっす。以下で入出力ノードに矢印つけましたが、回路図と色が何気に逆転してます。すみません。
なお、入力ソースの指定は「ノイズのない入力信号」の部分を指定するみたいです。等価入力換算ノイズなども求められるし。それでV3ね。なお、入力が電流源であれば、inoise ということで入力電流源信号に換算されたノイズも求まるみたい。
シミュレーション結果
以下はデフォルトのシミュレーション結果プロットに、素人老人が「ゲイン」を追加したものです。
緑色が出力ノイズ密度(軸は左)です。ピンク色はゲイン(軸は右)です。
これまた受け売りにて、以下の様子が見えているんでないかと。
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中~高周波数域: 熱ノイズ(ホワイトノイズ)やショットノイズが支配的、ノイズ密度はほぼ一定
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帯域外: 回路のACゲインが落ちる周波数、ノイズ密度も減衰
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そんな感じみたいだな。しかし、低周波数域のフリッカーノイズ(1/fノイズ)が支配的なところが見えてないじゃん。そこんところ突ついてみたいが、また今度か?
なお、プロット上のV(onoise)をCTRL+クリックしてやると、以下のように指定帯域でのRMS値が表示されます。

一方、SPICE ERROR LOGファイルには回路図上の .meas ディレクティブで指定された積分結果がテキストで出力されてます。
そう言われてもな~。そもそもノイズ、シミジミ分かっておらんしの~。