アチコチのマイコン屋さんからメルマガをいただきます(登録すりゃ届くわけですが)。数が多いのでとても全部は読み切れないのですが(登録しておいてすみません)、時々は開いて、面白い新製品などあるとちょっと調べてみたりもします。今日もらったルネサスさんからのメルマガは、
IoTエッジデバイス向けルネサスRL78クイックソリューション
というタイトルでした。
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なんとなくIoTは慌ただしいものだと感じてはいたものの、それに理由があることはついこないだこれを読むまでハッキリとは認識していませんでした。
流石に日本マイコンの雄ルネサス、分かっているんだな~
ルネサスのマイコンと開発ツール、時々、触る機会があります。しかし、幸か不幸か、それほど頻繁にお世話になっているわけでもなく、私の一方的な印象は「トラディショナル」「オーソドックス」「クラシック」などという言葉に集約できます。それが悪いと言う気は全然ありません。私自体、
最初に触った開発ツール、インテルMDS
の世代です。蛇足ばかりですが、インテルMDS、そのころ1000万円ちかくしたのでないですか。インテルブルーの四角い箱に白黒のキャラクタディスプレイ、上には8インチのフロッピイ・ディスクドライブ、脇にはラインプリンタ(多分本物のセントロニクスだったんじゃあるまいか)、そのマシンで インテルASM86(マイクロソフトのMASMなど軟なものではない) のコードを書いていました。今でも確信しているのは、
ASM86最強!
という1点です。アセンブラなのに、CONDとか、EVALとか、PROGとか名乗る関数があった、と書けばそのぶっ飛び方がお分かりになるかと思います。その後、インテルは ASM286で、その辺の lispっぽい部分を全て削ってしまって普通のアセンブラにしてしまったので、後にも先にもASM86だけです、「あれ」は。勿論、word ptr [BX] みたいな重厚な書き方を要求するインテルの伝統には違いありません。
話をルネサスに戻します。ルネサスの前身の3社とも、伝統的な開発ツールを持っていた筈ですが、現ルネサスのツールは、「エミュレータ」など見ているとその中の日立の流れなのかと思います。昔はICEなどと言うとバカ高かったですが、最近のルネサスのツールは随分値段もこなれて、個人でも買えないことはないくらいの金額です(でも買わないけど)。大分、お手頃になったんじゃないかと思っています。お手軽な評価ボードも無い分けでもなく、今回ご紹介のあったRL78では比較的安くて、例のエミュレータ買わずに評価できるような小さなボードも売られているのを知っていました(でもその金額出すとNucleoやPSoCななら2~3枚買えてしまう。)
RL78評価ボード買って、次の投稿はルネサスねたか?
とも思ってもいました。そこへメルマガです。ちょうど考えていたような内容じゃありませんか。ルネサスもやっぱり「IoTはお手軽」と分かっていたのだね、勝手に重厚な印象ばかりもっていて御免なさいとばかりに早速クリックすると、ダウンロードページはちょっと残念な感じでした。
引用します。
お付き合いのある特約店/取り扱い店が分かりましたら下記からご選択ください。
まあね、偉大な3社がくっついたので、沢山の特約店があることは認識していましたが、こうして実際に長大なプルダウンリストで見せられるとその重さに仰け反ります。その下には、開発予定時期とか開発予定予算とかの欄まであります。ま、無理にアンケートにちゃんと答えなくてもダウンロードに進めそうですが、この時点で萎えました。最近、いろいろ使い始めたので理解できたのですが、「お手軽IoT」で先にいっている外資のマイコンなら、その間にコードを書き始め、ブレッドボードで何本か配線繋げば目の前で動き出すくらい。ルネサス・マイコン、
クイックにしたい人もいるんだろうが、そうなじゃない人もいる
ような気がしてなりません。本当はどうなの?