このところ「リニア・レギュレータ」ばかり嗜んできたので、多少「毛色を変えて」今回からスイッチトキャパシタ電圧コンバータ(チャージポンプ)LT1054を勉強してみたいと思います。多分オリジナルはICL7660というデバイス。スイッチトキャパシタはこれに始まるという業界のクラシック?
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チャージポンプIC
大昔、NMOSデバイスに「従事」していた時期あり。私が「従事」していたころはNMOSデバイスも末期で、CMOSへの移行期でもありました。既にNMOSも「5V単一電源」の世界だったですが、古いNMOSは正負電源を必要としていました。面倒な負電源無に動作できるようになったのは、偉い回路設計者が「チャージポンプ」というものをNMOSデバイス内部へ取り込んだからだ、と聞きました。そのチャージポンプなるものを体現したデバイスがICL7660であったらしいです。業界のクラシックなスタンダード。知らんけど。
今回入手のLT1054というデバイスも、それと「ほぼほぼ互換」ということみたいです。アナログ素人、詳しいことは知らず。
さて、製品ページが以下に。
LT1054 レギュレータ付きスイッチトキャパシタ電圧コンバータ
なんといってもLT1054が良かったのは、LTの型番で分かるとおり、LTspiceにモデルが漏れなくついてくる、という点であります。電源素人、なんだかよく分かっていないので、spiceでシミュレーションしてその動作を味わえるのがお楽。
さてLTspiceのライブラリには、Open this macromodel’s example circuit というボタンあり(以下の赤線部分)
こいつをクリックしてやれば、即座に example回路が開くと。回路図描く必要もなし。こんな感じ。
どうも負電圧への電圧インバータ回路みたいっす。知らんけど。
何も考えずにシミュレーション開始。IN(黄緑)とOUT(青色)を観察すればほれこのとおり。
+10Vを入力した筈が、OUTにはー8Vくらいの負電圧が出力されとりますぞ。ただ上の波形を見ただけでは魔法のような。内部で必死こいて?動作している「チャージポンプ」様の苦闘がわかりませぬ。そこでCap+端子を観察(赤色)してみるとこんな感じ。
真っ赤なのは、ほぼ25kHzくらいの周波数で0V付近から9V付近までブンブンと振れているためです。このコンデンサの電位の振動で負の側へ電圧が押しこまれている?
実機で実験
データシートに目をやれば、
コンデンサはタンタル使え
というご指定です。タンタルの100uFとな。手元に在庫なし。大した電流を流すわけではなければ、タンタル使わなくても許してくれないか?勝手によいことにして手元の電解コンデンサ使ってしまいました。よゐこは真似しないでね。
INには約9.36Vを与えました(ぶっちゃけ006P電池だけれども。)
負荷抵抗1kΩなので大した電流は流れておりませんが、チャージポンプしておると。定番回路?