アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』2023年2月号の実習2回目です。前回は負の参照電圧生成は「正の参照電圧をひっくり返す」ということで正の参照電圧にLED(部品キットに適当なツエナーがなかったので)を使いました。今回はバンドギャップリファレンス(シャントレギュレータ)の登場です。
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アナデバ様のStudentZone 2023年2月号記事(日本語版)へのリンクは以下です。
ADALM2000による実習:負のリファレンス電圧を生成する方法
前回の「ステップ1」は正の参照電圧にツエナーダイオードを使いたかったのだけれど、適当なツエナー電圧の部品がADALP2000部品キットに含まれていなかったので、LEDのVfを参照電圧にして乗り切ったステップでした。今回「ステップ2」に入るのです。その回路を説明している部分を1か所引用させていただきます。
NPNトランジスタをベースとする2端子のバンドギャップ・リファレンス(シャント・レギュレータ)を使用した回路
であります。
「STEP2」の実験回路
アナデバ様の記事掲載の回路を部品を並べやすいように書き直したものが以下です。指定されているOP482は14ピンのIC(4回路入り)なので、端子の接続確認しやすいように現物ピン配にあわせてます。なお使用している回路はアナデバ様の記事では「D」でしたが、当方は「A」としてます。使ってない回路の端子の始末とか気になるのだけれども、アナデバ様の実体配線図ではNCだったので当方でもそのままっす。
上の回路図の左上の2N3902が3個あるところが「バンドギャップ・リファレンス(シャント・レギュレータ)」部分です。
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- Q1、ゼロゲインアンプ
- Q2、電流源
- Q3、シャント・トランジスタ
ってな感じっす。アナログ素人は知らんけど。アナログ権化の方々がバンドギャップ・リファレンスについても、シャント・レギュレータについても多数書かれているのでそれらをご参照くだされ。
さて、上記の回路をブレッドボード上に実装してみたのが以下に。いつもは多回転のポテンショメータを使うのですが、たまたま 10kΩの多回転のやつが在庫切れ、そこでアナデバ製学習用アナログ部品キットADALP2000所蔵のものをとりつけました。1回転(以下)の半固定タイプなので物理的にドライバで行う回転調整が難しかったデス。10mVくらいの調整が精いっぱい。
実験結果
アナデバ様の記事には、ボリュームを調整して-1.25Vが出力されるようにせよ、とあるのでその通りにしようと試みましたが、細かい調整がうまくできなかったです。そのときの-VREFA電圧が以下に。
またQ3トランジスタのコレクタ、エミッタ間の電圧も測定せよ、との思し召しであったので、測定してみました。こんな感じ。ま、あたりまえか。
バンドギャップ・リファレンスということで、電源電圧に依存しない(程度はある筈だけれども)件を測ってみるという重大な確認があるのですが、メンドイです。それはまた次回ね。刻むな、自分。