アナログ回路得意な人はすべからく数学もお得意。シレっと複雑な式を書き分かるだろ~と。しかしアナログ回路素人、数学も苦手な年寄にはその式が巨大な壁となって立ちふさがるのであります。今回はトータル出力ノイズの式の前に一瞬心が折れかけました。数学苦手なものは具体的な計算やってみるしかないっと。計算したのは表計算ソフトですが。
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原著はOp Amp Applicationsという書物だったらしいです。
トータル出力ノイズ
今回読ませていただいておりますのは、4.7の最後「トータル出力ノイズの計算」という節であります。ただね、出力は入力の「ノイズゲイン倍」っす。結局計算のキモは入力のところです。『大全』に記載の式をチョイと「自分に分かりやすく」書き直してみたものが以下に。
上記は、√の中に√が入っていて、それも2乗されてます。だから√をはずしたくなるのはあたりまえなので、『大全』では√の中に√が入っているような形にはなってなかったです。そのおかげで√の中がノイズの要素別の二乗和、それも入力端子における電圧ベースだということが最初みたときによく分からんかったです。式をチラ見して『オペアンプ大全』読んできたけれどもここで挫折か、と絶望にくれました。
しかしよくよく見てみたらば、以下の前々回で学んだ「3種ノイズ」をノイズ源毎に独立して書き直した結果、6項目になったものでした。
OPアンプ大全を読む(19) 3種のノイズのせめぎあい?OPアンプ内部のノイズでは
そういうことなら何とかなろうか?6個のノイズ源を〇印で書き直したモデル図が以下です。抵抗3個それぞれのジョンソンノイズの入力端子での値3個、オペアンプ自体の電圧ノイズ、電流ノイズ(端子毎)の6個です。
表計算ソフトで計算してみる
数学力の無いものは具体的な計算を繰り返すしか理解の方法はありますまい。まして忘却力の年寄をば。ただ、計算を実施するのは辛いです。とても辛い。まあちょろまかして表計算ソフトのシートを作ってみました。
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- 黄色の枠にデータシートから持ってきたオペアンプの電圧、電流ノイズを引き写す。
- 緑色の枠に上記モデルにあわせて、抵抗値を書き入れる。そのとき信号源インピーダンスも忘れずに組み入れる(前々回やったとおりで電流ノイズは信号源インピーダンス次第だから。)
- 灰色っぽい枠は定数なので、計算したい温度を変更するくらい?
すると、右下のところに値が得られます。これに√BWを乗ずればRTINOISEとなり、さらにノイズゲインを乗ずれば出力ノイズ(RMS)となると。
計算できるような気がしてきました。気がするだけだな、自分。続いてリアクティブ素子を含む2次系というお題が出てきて、そっちゃはもっと複雑。今回はパスだな~。 まあ1次系だけでも自前で計算できそうな雰囲気でてきたので、この節は読んだことにしとうございます。ゆるゆる。