前回MOSFETのソースフォロワ回路であったので、今回はソースフォロワを2段積み重ねた形のプッシュプル出力段をデッチ上げたいと思います。以前に別件シリーズにてバイポーラトランジスタで実習したものをほぼそのままMOSFETに置き換える形っす。動くっちゃ動くけれども、抵抗値で調整するのはメンドクセーです。
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別件シリーズ、バイポーラのプッシュプル回路
1年以上も前になりますが、以下の別件シリーズにて、NPNトランジスタとPNPトランジスタ、2段重ねのプッシュプル回路を練習してみました。
お手軽ツールで今更学ぶアナログ(103) ディスクリート・トランジスタでアンプ出力段
お手軽ツールで今更学ぶアナログ(104) ディスクリート・トランジスタでアンプ出力段その2
アナログ素人が勝手ながら申し上げれば「AB級」の出力回路の実習であります。ホントか?
バイポーラでやったのに、MOSFETで練習していなかったところ、前回、MOSFETでソースフォロワ回路をやっちまいました。MOSFETのソースフォロワすなわちバイポーラのエミッタフォロワの親戚筋です(いい加減な。)当然プッシュプルもやってみるだろ~
MOSFETのプッシュプル回路
元よりアナログ素人、MOSFETを使う場合は、Pchをハイ側、Nchをロウ側に配置するインバータが腑に落ちます(腹に落ちるというべきなのか?最近は。)ただしそれだと信号極性は反転しちまいますなあ。
しかし、今回のプッシュプル回路はバイポーラ同様、信号極性はそのまま、Nchをハイ側、Pchがロウ側です。よって電源電圧まで振らせることは出来ん相談の回路っす。回路構成の詳細については、アナログ素人がゴタクを並べるよりは、「丸にツの字」でお馴染みのマルツエレック様の以下の記事が分かり易いかと。
久しぶりにマルツ様で部品買わんとなあ。。。
まずはシミュレーション
前回「たまたま在庫がある」という理由で BSS138 Nch MOSFETで実験しました。これに対するPch MOSFETは、BSS84です。これまた手元に在庫あるもの。LTspiceの回路図が以下に。
ここでちょっと気づいたのは、LTspiceにはデフォでPチャンBSS84のモデルが含まれておるということです。しかしNチャンBSS138は含まれておらんようです。なんでなのかな~。大人の事情?それでBSS138は出所の怪しいマクロモデルをインクルードして使ってます。
黄緑色が入力Vin、赤色が出力VoutBです。青色は2つのMOSFETのソースの接合点です。これみると大分ハイ側にいるのだけれど。でも後で現物動かしてみたらズレは微妙。上記のような挙動は示さなかったデス。Pch側はともかく、Nch側は出所の怪しいマクロモデルのせい?PとNの引っ張り合いよくわかりませんなあ。
プラスマイナス5V電源でプッシュプルするつもりが、実機上ではちょっと電流が心配なことがあり、プラスマイナス4Vに手加減してしまいました。さらに、
ゲートのバイアス電圧をR3の抵抗値で制御するのはメンドイ
ので、実機では我慢しきれず可変抵抗にしてしまいました。そのため、実機波形に合わせたような波形が出るシミュレーションもしてます。
最初は正弦波らしき波形(振幅は落ちるケド)が出る抵抗値にしたもの。まずはその回路。
つづいて、AB級っぽい?GND付近で中折れ?している波形がでるやつ。回路が以下に。
実機動作確認
Vp=+4V、Vn=ー4Vとしています。また、LTspice回路図のR3のところをVRで置き換えています。
まずはボリュームを操作してR3の値を小さい方向にもっていった場合。黄色C1が入力波形、青色C2が出力波形です。
つづいて「ほぼ正弦波」が得られるようにボリューム調整したもの。
まあ、「そんな感じ」な波形が出ているからいいか。いつもながらいい加減。