部品屋根性(3) 24GHz帯ドップラーセンサ

24GHz帯のマイクロ波(準ミリ波、Kバンド)無線を使うドップラーセンサに「当たった」のは介護の方のテーマで調べている時でした。しかし調べているうちにこのセンサの応用がかなり広いことが分かってきました。当然、単体部品やモジュールとしてのドップラーセンサの生産者がいる筈です。今回は、部品としての24GHz帯のセンサを調べてみます。しかし、波長はぜんぜんマイクロメートルではない(24Gでは10mm超える)のに、なんでマイクロ波と言うのかな~。誰か教えてください。

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まず、単体部品、あるいはモジュールとして生産していると思われるメーカを列挙させていただきます。プレスリリース資料などに基づいているので現時点で販売しているか否かは不明ですので念のため。

富士通コンポーネント24GHz帯ドップラー効果を利用した移動体検知センサーモジュールを開発
ユピテルドップラーセンサの技術
新日本無線NJR4265Rシリーズ
沖電気見守りシステム
InnosenT(独)IPM-165
Sky microwave(中)ドップラセンサーモジュール

最初にあげた富士通コンポーネントのドップラーセンサは、アンテナと部品が基板の表裏に設置されピンヘッダで接続できるようになっている「モジュール」です。2018年になって発売された筈のもの。元富士通の半導体部門の一部であるアソシオネクスト社が数年前にこの手の無線センサをやっているという報道があったので、もしかすると搭載の半導体はソシオネクスト社で、アンテナを含めたモジュールに仕上げて販売しているのは富士通コンポーネントなのかもしれませんが、詳細は不明です。

その次のユピテル社は、車載用後付け用のレーダー探知機といえば同社が代名詞?であるくらいなので、当然すぎるかもしれません。また、その次の新日本無線は、その名のとおり無線の会社で、これまたうなづけます。リンク先はデータシートです。一般の方にはとっつきにくいですが、電子デバイス屋としては「データシート」があるとなぜか安心します。

次の沖電気は完全にシャーシまで含んだ「見守りシステム」なのですが、発表当時の開発キットの値段50万円という方につい目がいってしまいました。開発ツールとか、優れたアルゴリズムのコードなどを使う権利が入っているのかもしれないですが、昨今開発キットで50万円というのは敷居が高い。ちなみに新日本無線製のチップ(さきほどのは型番違う)をつかった24GHz帯のドップラーセンサキットはおなじみ秋月通商で買うことができて¥3800円です。それどころか既に販売は終了したらしい共立エレショップの同様のもの(もしかすると周波数違いのXバンドのもの)なら¥972でした。センサチップ単品の値段は押して知るべしという感じでしょうか。なお、もしかすると秋月通商のキットは「スピードガン」が作れるような仕様かもしれません(確かめてません)。そうです、このセンサーの応用としてスピードガンがあり得るのです。

その下の2社はドイツと中国の会社です。販路は確かめてませんが、多分、国内で入手可能と思われます。

こうしてみると24GHz帯のドップラ―センサ(および10GHz、Xバンド)についてはチップ、モジュールの供給元は結構ありそうなことが分かりました。(ここにあげていないけれどもウチもやっている、という場合はご連絡いただければ表に追加いたします)皆が「徘徊検知」のためにやっている、わけではありますまい、残念ながら。たぶん、車載用に注目があつまる77GHz帯そして、本命79GHz帯のミリ波レーダに「つながる」技術だから、というところがあるような気がします。しかし、波長は10mm超えてるのにマイクロ波と呼ばれるのは、納得いかんな~

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