前回はAD2のオーディオ出力(イヤホンを接続することを想定していると思われる)にヘッドフォンアンプを接続してその増幅の様子を観察しました。今回オーディオ出力に接続してみるのは「ライン入力」への入力電圧を昇圧するための昇圧トランスです。「エコノミータイプ」のトランスでお茶を濁しているのだけれども。
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秋月電子通商殿、ヘッドホン出力⇔ライン入力昇圧トランスキット
みんな大好き秋月電子殿の「キット」の中に以下のようなキットがあります。
スマホなどのヘッドフォン出力をオーディオ装置のライン入力にワイヤで(Bluetoothじゃないよ)接続したときに出力の電圧レベルが低いために妙に小さく聞こえる問題を解決するためのキットです。かの「サンスイ」が今を去ること60年以上前に開発したらしい「ST-32 トランス」搭載の逸品。上記ページより一か所引用させていただきます。
サンスイのトランスはパーマロイ鉄心、ポリウレタン線を採用しており海外の格安のトランスよりも音質の劣化が少ないです。
おお流石「サンスイ」ブランドです。しかし、手元不如意の年寄とて以下の1文も目にとまりましたぞ。
海外製トランスを採用したエコノミータイプもございます
ということで購入したのは以下のエコノミーなやつです。
AT403-2使用ヘッドホン出力⇔ライン入力昇圧トランスキット
実際に購入したのは大分以前で、引き出しで熟成させていたので、「AT403-2」使用ではなく「AT403-1」使用の以前のロットです。サンスイST-32が1:12に対して、AT403-1も-2も巻き数は1:10.3みたいです。
実験用回路
なお、秋月殿の資料からもう1か所引用させていただくと
送り側の出力インピーダンスが8~16Ω程度、受け側の入力インピーダンスが10kΩ程度以上である必要があります。
ということであったので、負荷に10kΩを接続してます。なおAD2のオシロのCH1をトランスの入力側(ステレオのR側のみ使用)、CH2を出力側に接続して観察してます。トランスなので出力は「浮いて」ます。CH2のマイナス端子はトランスの出力側のGNDに接続しないと、商用電源の50Hzなど拾ってしまいます(最初やってしまったお馬鹿な年寄っす。)
波形の観察
例によって440Hzの出力波形を観察したものが以下に。
ピークツーピークの振幅比で計算すると電圧は9.6倍となっておると。損失がある分1:10.3よりは落ちると説明書にもあります。まあまあ良いのでないの。
100Hz付近から20kHz付近までほぼほぼフラット。
ううむ、サンスイ使えよ、自分。