お手軽ツールで今更学ぶアナログ(189) 差動ペアでディスクリート同調アンプの改良

Joseph Halfmoon

アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』の2024年3月号(和文版)実習3回目です。前回はちょっと脇道に入った感じでしたが、今回は本題の同調アンプの改良です。アンプに差動ペアを追加し「改良」せよと。記事的にはADALP2000にペアトランジスタが含まれている前提。でも手元のキットには入ってないんだ。

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※学生でもないのに勝手に実習をさせていただいておりますアナデバ様の記事が以下です。アナデバ様的にはアナデバ製ADALM2000ツールを使って実習せよ、との記事ですが、当方持ち合わせなく、Digilent製Analog Discovery2利用であります。

ADALM2000による実習:同調アンプ段の動作

今回は上記3月号の実習三回目。「同調アンプ段の改良」と見出しがついているセクションです。

Nchペア・トランジスタ

※2024年5月4日追記:以下の「思い出した」というのは忘却力の年寄のデジャヴのようなものでした。約2年前にそう思って東芝HN1C01FU「ウルトラスーパーミニ」パッケージ品を購入しておったのです。過去記事(第94回)で使ってました。でも部品箱を整理しないと現物が出てこない。。。

忘却力の年寄は思い出しました、以前もワンパッケージに2個トランジスタが入った「特性のそろっている」ペアトランジスタが手元に無く、後で購入しなければなと思ったことを。忘却力の彼方でした、買ってません。というか部品用のお買い物メモに書き加えることすら忘れておりました。

ということで今回もディスクリートのトランジスタを個別にならべて差動ペア段を作ることにいたします。バラツキは無視ね。テキトーだな。アナデバ様的にはADALP2000部品キットにSSM2212が含まれているというご認識なのでしょうが、少なくとも手元のADALP2000にはSSM2212は含まれてません。

「改良」された同調アンプ、シミュレーション

差動ペア段を導入し「改良された」同調アンプ回路が以下に。LTspice回路図であります。TAMPschema03

 

本来は±5V電源で実験せよ、との思し召しなのですが、前々回実験で電流が流れ過ぎる件発覚。控えめに±4Vで実験することにしてます。

LTspiceのシミュレーション結果に進む前に1つ。上記回路に相当する(差動ペア段はSSM2212使用)回路の実体配線図の図7、恐れ多いことですが、図7の配線図と図6の回路図が一致しないです。具体的にはR1の先、R4の先はGNDに接続されるべきだと思うのだけれど、図7では接続されてないように見えます。宙ぶらりん。

一応、上記回路の「GNDに接続した状態」で以下のようなボード線図を得られてます。TAMP03AC

前々回のトランジスタ1個の回路と比べると増幅可能(0dB以上のゲインが得られる)周波数領域が広くなっている気がします。

実機確認

例によって、ブレッドボード上に組み立てた実験回路が以下に。TAMP03

実機で取得したボード線図が以下に。TAMP03bode1

確かに前回の結果に比べると、0dB超えている周波数範囲がかなり広くなっているみたい。しかし左の方にある小さな凹が気になります。TAMP03bode1AC

周波数167kHzとな。これは前回の3逓倍回路で使った入力周波数だな。。。ほぼほぼ共振周波数の3分の1のところ。すいとられるような何かがあるのか?アナログ素人の年寄には想像もつかんが。。。

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