アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』最新記事の日本語版はまだアップされていなかったです。そこで今回は勝手実験です。ちょうど別シリーズでインダクタとキャパシタを使ったパッシブ・フィルタの計算をやってます。計算してそれきりだったので実機にておさらいしてみるかと。計算と違っていたらビックリなんだが。
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パッシブ・フィルタの計算やってる別シリーズ記事
RC、RL、LC(およびRLC)のパッシブフィルタ各種の「計算」をしているのが以下です。
やっつけな日常(76) Maxima on Android、パッシブ・フィルタの計算
数式処理フリーソフトの定番 Maxima様を使役して、数学ではなくチマチマした電卓的計算をやらせようという罰当たりなものです。パソコン上でもスマホ(Android)上でもMaximaは同様に動いてくれるので、両用(どちらかというと電卓的なのでスマホね)のソースを作ってます。
さて、そのExampleの最後でRLCの「バンドパスフィルタ」を計算してます。
RLC「バンドパスフィルタ」LTspiceシミュレーション
上記の別シリーズ記事でもLTspiceシミュレーションをやってますが、今回実機で動作を観察するにあたってシリーズ抵抗Rの値を1Ω、10Ω、100Ωと振って再度シミュレーション(AC解析)をやってみました。100Ωだとかなりピーキーな通過域の狭いバンドパスになり、抵抗をさげていくと通過域が広い楯状火山的な特性になります。シミュレーション用の回路が以下に。
上記、マーカー部分の抵抗値を1、10、100Ωに変更するわけであります。なお、上部に .optとか .meas とかあるのは、バンドパスフィルタの通過域のバンド幅とクオリティファクタ(Q値)を計算するための呪文です。呪文については、これまた以下の別シリーズ記事で説明してます。
SPICEの小瓶(47) 呪文.opt meascplxfmt=cartesianでQ値を
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- R1=100Ωの時のシミュレーション結果
Q値は約30、バンド幅は約168Hzと。
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- R1=10Ωの時のシミュレーション結果
Q値は約10分の1になったけれど、その代わりバンド幅は約10倍。
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- R1=1Ωの時のシミュレーション結果
Q値は約0.32、バンド幅は約16kHzもある。
実機実験
実験用の実機(ブレッドボード上)にコイル、コンデンサ、抵抗を配置したものが以下に。
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- R1=100Ωの時の実機で測った特性
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- R1=10Ωの時の実機で測った特性
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- R1=1Ωの時の実機で測った特性