前回はラズパイPico2搭載のRP2350とPico搭載のRP2040の電源、クロック端子などを中心に比較してみました。今回は残りの端子を比べてみます。しかし調べているうちにRP2354なる型番のチップも存在(現物を見たわけでないけれども)することが分かりました。パッケージ内部にFlashをスタックした版みたい。
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RP2354
前回、RP2350ではQSPI Flashのインタフェース用に専用電源端子が準備されていて「何なの?」と思ったです。どうもそれはFlash内蔵版(同一パッケージ内にFlashチップをスタックしている。マイコンのダイそのものは同じだと思われる)のためだったようです。以下のプロダクト・ブリーフに製品番号の記載があります。
https://datasheets.raspberrypi.com/rp2350/rp2350-product-brief.pdf
RP2350もAとBの2バージョンあるので、以下の合計4機種となるようです。
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- RP2350A、Flashレス(外付け)、QFN-60
- RP2350B、Flashレス(外付け)、QFN-80
- RP2354A、2MB Flash、QFN-60
- RP2354B、2MB Flash、QFN-80
今年末くらいにRP2354も出荷されるみたいな情報(非公式)あり。なお、スタックされるFlashは、台湾Winbond製のQSPIフラッシュらしいです。
QSPIフラッシュ・インタフェース
RP2040もRP2350も、QSPIフラッシュ・インタフェースを備えており、プログラム(固定データも)はここに書き込んで、ここから直で実行するスタイルです。当然高速化のために内部にキャッシュ的なサポート機構をもっとるようです。よく似ているのですが、違いは、
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- RP2040、2個めのQSPIメモリの接続については言及なし
- RP2340、2個めのQSPIメモリの接続については説明あり、FlashだけでなくPSRAMの接続もありみたい
というところです。2個めを接続する場合はGPIOの中でCS信号に使えるピンが何本かあるようなのでそれを指定する必要があるみたい。
また、上で述べたように、Flash内蔵(スタックだけれども)版も出てくるみたいで、前回見たQSPI専用の電源端子は、それにも使われると思われます。
なお、最大16Mバイト品まで接続できるのはRP2040、RP2350共通ですが、Picoでは2Mバイト、Pico2では4Mバイト品を外部接続しておるようです。
USB、SWDデバッグ、RUN
USB、SWDデバッグ、そしてRUN(通常のマイコンではRESETにあたる)はRP2040とRP2340で特に違いはないようです(見落としているかも知れんけど。)
なお、RESETでなくてRUNとなっているのは、NCのまま放置しても良い(内部のRESET回路で勝手にパワーオンRESETがかかる)からみたいです。知らんけど。RESETしたいよゐこは外付け回路でLOWに落とせと(小さいプッシュ・スイッチを横につけるのが定番?)
TESTピンはRP2350には不在?
PicoのRP2040に設定されていたTESTピン(工場の出荷テスト時に使う)は、RP2350には見当たりませんでした。工場テストモードが無いわけないので、専用ピンを使わなくても済む方式に変更したのだと推測します。知らんけど。
GPIO
RP2350Aの場合、GPIOは0番から29番まで30本が存在し、26番以降の4本がADC入力端子を兼ねるというスタイルです。これはRP2040とまったく同じです。RP2350Bの場合はRP2350AやRP2040と比べてGPIO端子本数が大幅増で、ADC設定の端子の番号はズレています。
RP2350Aのペリフェラル機能もRP2040「ほぼコンパチ」にアサインされているように思われますが、ファンクションの切り替えが
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- RP2040はF1からF9の9通り
- RP2350はF0からF11の12通り
とRP2350の方が増えています。RP2040になかった周辺機能が新たにアサインされているケースが多数あるようです。その辺は周辺機能を比べながら見ていきたいと思います。