SPICEの小瓶(65) LTspice、{Educationalフォルダ} wav入出力

Joseph Halfmoon

前回は「知らないとモグリ」なオペアンプ「741」の内部回路を拝観、感涙にむせびました。今回は「実務的なところ」に戻り、.wav形式の音声ファイルに対する入出力です。過去回にて.wav形式ファイルからの「波形の輸入」はやっておるのですが、「輸出」の方をやってませんでした。片手落ちだったです。そこんところをヨロシク。

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過去回でのLTspiceへの「波形の輸入」

以下の過去回で、外部処理系で生成した信号波形をLTspiceに輸入してます。

SPICEの小瓶(3) Octaveで生成した「波形」をLTspiceしてみる、簡単?
SPICEの小瓶(55) FM変調波形、ScilabからLTspiceへ波形を輸出

上の第3回では、Matlabに「クリソツ」な文法を持つらしいOctave処理系上で生成した波形をLTspiceに持ってきました。下の第55回では、Matlabに「似ているケド、ちょっと違う」Scilab処理系の波形を輸入してます。まあ、どちらも .wav形式の音声データファイルをLTspiceで読み込んでいるだけなので、どんな処理系でも .wav形式の出力に持ち込めればできる筈。

一方、LTspiceでシミュレーションした波形を .wav形式の音声ファイルに出力することもできる筈とは思ったのですが、これはやってませんでした。今回、Educationalフォルダ内を漁っていて、以下2つのファイルを確認。これは動作確認してみるしかないと。

    • wavein.asc、LTspiceへの.wav形式ファイル読み込み
    • waveout.asc、LTspiceからの.wav形式ファイル書き出し
まずはwaveoutから

以下が waveoutの「デモ」ファイルの中身です。

WaveOutSchematic

A、B、Cというノードに対して、3種類の波形を生成し、その電圧を乗じて2倍にしたらしいSYNという合成波形を ワーキングディレクトリ直下の ring.wav なるファイルに書き出してます。音声はモノラル、8ビット、11.025kHzサンプリングとな。

過渡応答のシミュレーションをまず実施。そのときの信号SYNの波形が以下に。WaveOutWave

そしてディレクトリの中をみやれば、ファイルが生成されとります。以下のごとし。

ring_wav上記ファイルを再生してみたらば、米国の電話機で聞こえてきた呼び出し音?みたいな音です。0.5秒ととっても短い再生時間ですが。

念のためwaveinも

既に過去回にてやってますが、読み出しの方もやってみます。回路が以下に。WaveInSchematic

先ほど出力したファイルを「読み出して」みてます。こちらで過渡応答のシミュレーションを行えばノードXの波形はこんな感じ。WaveInWave

書き出したものが、そのまま「読めた」というだけですが。

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